海外ジャーナルクラブ
1年前
Papadopoulosらは、 VOYAGE試験の事後解析において、 2型炎症を有する喘息患児を対象に、 ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体デュピルマブの有効性を検討。 その結果、 デュピルマブはアレルギー性喘息の有無にかかわらず2型炎症を有する喘息患児の喘息増悪を抑制し、 アレルギー性喘息の所見がある患者においては喘息制御の有意な改善が確認された。 本研究はAllergy誌において発表された。
今回の研究成果を見てもプラセボでスコアの改善が見られます。 これが極めて重要なところで、 さまざまな民間療法で喘息の改善が見られたと言っているものがありますが、 このプラセボと同じ現象を捉えているのだと思います。 確かに症状は改善しているのだと思いますが、 やはり比較検討することが重要です。
IL-4/5/13などのサイトカインは、 アレルギー性喘息を含む複数の2型炎症性疾患において重要な役割を果たしている。 デュピルマブはヒトモノクローナル抗体で、 IL-4/IL-13の共有受容体成分を遮断し、 シグナル伝達を阻害する。
2型炎症を有する6~11歳の喘息患児
患者を以下の群に割り付け。
AER、 気管支拡張薬使用前 (Pre-BD) の強制呼気1秒量 (FEV₁)、 予測FEV1に対するPre-BD FEV1の比率 (ppFEV₁)、 Asthma Control Score (ACQ) -7の変化
デュピルマブは、 アレルギー性喘息の初見がある患者および、 所見がない患者においてAERを有意に減少させた。
アレルギー性喘息の所見がある患者のAER
アレルギー性喘息の所見がない患者のAER
アレルギー性喘息の所見がある患者
アレルギー性喘息の所見がない患者
デュピルマブ投与により、 アレルギー性喘息の有無に関わらず、 2型炎症を有する喘息患児の喘息増悪が抑制された。 肺機能の変化においても同様の傾向が観察された。 喘息制御の有意な改善は、 アレルギー性喘息の所見を認める患者で観察されたが、 認めない患者では観察されなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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