海外ジャーナルクラブ
15日前

広島大学大学院腎泌尿器科学の小野悠人氏らの研究グループは、 前立腺癌 (PCa) 患者を対象に、 MRI-経直腸超音波 (TRUS) 融合画像ガイド下再生検における臨床的に意義のあるPCa (csPCa) 検出率の向上を目的として、 後ろ向き研究でcsPCaを予測する因子を同定し、 前立腺特異抗原密度 (PSAD) と前立腺画像報告データシステム (PI-RADS) を組み合わせたリスク層別化モデルを構築した。 その結果、 PSAD≥0.20およびPI-RADS≥4がcsPCaの独立した予測因子として同定され、 これを基に構築されたリスク層別化モデルによりcsPCa検出率に明確な差が認められた。 また、 系統的生検の併用で診断精度が向上した。 本研究はProstate誌において発表された。
本研究は後ろ向き・再生検症例に限定された単施設研究であり、 PI-RADS読影の主観性やPSADカットオフの一般化可能性、 長期臨床アウトカム未評価といったlimitationがあります。
PCaにおいて、 MRI-TRUS融合画像ガイド下再生検による診断の信頼性は依然として限定的であり、 改善するには追加の予測マーカーが必要である。
そこで本研究では、 csPCaを予測する因子を特定し、 リスク層別化モデルを構築するとともに、 系統的生検の役割も検討した。
2017~24年にMRI-TRUS融合画像ガイド下再生検を受けた患者194例を後ろ向きに解析した。
病変はPI-RADSバージョン2.0または2.1に基づいてスコアリングした。 単変量および多変量ロジスティック回帰解析を実施し、 グリソンスコア≥3+4と定義されるcsPCaの予測因子を同定した。 また、 csPCaの検出率を群間で比較し、 系統的生検の診断的寄与については別途評価した。
194例中82例 (42.3%) がcsPCaと診断された。 多変量解析により、 PSAD≥0.20 (オッズ比 [OR] 6.56) およびPI-RADS≥4 (OR 12.38) がcsPCaの独立した予測因子として同定された。
PSADとPI-RADSカテゴリーに基づいて患者を高リスク群、 中間リスク群、 低リスク群に層別化した結果、 83例 (42.8%) が高リスク群、 77例 (39.7%) が中間リスク群、 34例 (17.5%) が低リスク群に分類され、 csPCaの検出率はそれぞれ74.7%、 24.7%、 2.9%であった。
csPCaと診断された82例のうち21例は、 系統的生検のみで診断されていた。
著者らは 「PSADとPI-RADSを組み合わせたリスク層別化モデルにより、 csPCa検出率に明確な差が認められ、 また、 系統的生検の併用で診断精度が向上した。 これらの結果は、 個別化されたエビデンスに基づく再生検戦略を支持するものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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