【JAMA Intern Med】関節リウマチで大動脈弁狭窄のリスク増
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Intern Med】関節リウマチで大動脈弁狭窄のリスク増

【JAMA Intern Med】関節リウマチで大動脈弁狭窄のリスク増
Johnsonらは、 米国退役軍人保健局 (VHA) とメディケア・メディケード・サービス・センター (CMS) のデータを用いて、 関節リウマチ (RA) 患者の大動脈弁狭窄リスクを大規模コホート研究で調査。 その結果、 RAは大動脈弁狭窄の発症リスクの増加と関係しており、 その後の大動脈弁インターベンションや大動脈弁狭窄関連死亡のリスクの増加とも関連していた。 本研究は、 JAMA Intern Med誌において発表された。 

📘原著論文

Aortic Stenosis Risk in Rheumatoid Arthritis.JAMA Intern Med. 2023 Jul 31;e233087. PMID: 37523173

👨‍⚕️監修医師のコメント

大動脈弁狭窄以外の弁疾患のリスクが知りたいですね、 このような場合にたとえばMRのリスクも高い、 などとなる場合はよくあります。

🔢関連コンテンツ

関節リウマチ分類基準 (2010)

ACR/EULAR RA分類基準 (2010)

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関節リウマチの疾患活動性評価

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関節リウマチの活動性評価法

DAS28-ESR

関節リウマチの活動性評価法

背景

虚血性心血管疾患のリスク増加がRAと関係していることは知られているが、 具体的に大動脈弁狭窄とどのように関係しているのかはは不明確である。

研究デザイン

方法

  • VHAとCMSのデータを基にした後ろ向きコホート研究
  • RA患者は、 診断コードや自己抗体の検査結果等で特定した
  • 対照群は年齢や性別などがマッチするRAでない人を、 患者1例あたり10人まで選定した
  • 追跡は、 大動脈弁狭窄の発症、 大動脈弁インターベンション、 患者の死亡まで行われた

主要評価項目

大動脈弁狭窄の発症

大動脈弁狭窄の発症は外来・入院での大動脈弁狭窄診断や大動脈弁インターベンション、 大動脈弁狭窄関連死亡等を合わせた複合イベントとして定義

研究結果

大動脈弁狭窄の発症率 (1000人年当たり)

  • RA患者:3.97 (95%CI 3.81-4.13)
  • 対照群:2.45 (95%CI 2.41-2.49)
  • 絶対差:1.52
  • aHR 1.48、 95%CI 1.41-1.55

大動脈弁インターベンション

RA患者の大動脈弁インターベンションの調整ハザード比

aHR、 1.34 (95%CI、 1.22-1.48)

大動脈弁狭窄関連死亡

RA患者の大動脈弁狭窄関連死亡の調整ハザード比

aHR 1.26 (95%CI 1.04-1.54)

結論

本研究において、 RAは大動脈弁狭窄発症のリスク増加と、 それに続く大動脈弁インターベンションや大動脈弁狭窄関連死亡のリスク増加と関連していた。 今後はRA患者において心臓弁膜症、 特に大動脈弁狭窄を見落とす可能性について検討していく必要がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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