【JAMA Neurol】認知症リスク、 累積HbA1cが9%以上の成人で最大に
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1年前

【JAMA Neurol】認知症リスク、 累積HbA1cが9%以上の成人で最大に

【JAMA Neurol】認知症リスク、 累積HbA1cが9%以上の成人で最大に
Moranは2型糖尿病患者を対象に、 累積HbA1cと認知症リスクの関連性をコホート研究で検討。 その結果、 認知症リスクは累積HbA1cが9%以上の成人で最大であった。 本研究はJAMA Neurol誌において発表された。

📘原著論文

Glycemic Control Over Multiple Decades and Dementia Risk in People With Type 2 Diabetes. JAMA Neurol. 2023 Jun 1;80(6):597-604. PMID: 37067815

👨‍⚕️監修医師のコメント

HbA1cの認知症に対するハザードはJ字型になることが本研究により明らかになりました。 従来より神経領域では少しだけ緩めの血糖管理がその機序からも言われてきましたが、 それをはっきりと証明した研究はありません。 本研究のような観察データを積み上げていく必要があります。

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背景

2型糖尿病患者の認知症リスクが最も低い血糖コントロールレベルは不明である。 この知識は、 患者中心の血糖目標設定を行う上で重要である。

研究デザイン

対象

50歳以上の2型糖尿病患者

Permanente Northern California統合医療システムの会員が対象

曝露

参加者はHbA1c測定値が6%未満、 6~7%未満、 7~8%未満、 8~9%未満、 9~10%未満、 10%以上に該当する割合に基づいて分類された。

主要評価項目

認知症の発症

国際疾病分類第9改訂版のコードを用いて同定

研究結果

HbA1cが9%以上の患者

HbA1c測定値の50%以上が9~10%未満または10%以上の参加者は、 50%以下の参加者と比較して認知症リスクが高かった。

  • HbA1c 9~10%未満: aHR 1.31(95%CI 1.15-1.51)
  • HbA1c 10%以上:aHR 1.74 (95%CI 1.62-1.86)

HbA1cが低い患者

対照的に、 HbA1c濃度6%未満、 6%~7%未満、 7%~8%未満が50%以上の参加者は認知症リスクが低かった。

  • HbA1c 6%未満:aHR 0.92 (95%CI 0.88-0.97)
  • HbA1c 6~7%未満:aHR 0.79 (95%CI 0.77-0.81)
  • HbA1c 7~8%未満:aHR 0.93 (95%CI 0.89-0.97)

結論

認知症リスクは累積HbA1c濃度が9%以上の成人で最大であった。 これらの結果は,高齢の2型糖尿病患者に対して現在推奨されている緩やかな血糖目標値を支持するものである。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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