海外ジャーナルクラブ
1年前
Hanulaらは、 インフルエンザ外来患者を対象に、 オセルタミビル(商品名タミフル)の入院予防効果を系統的レビューとメタ解析で検討。 その結果、 オセルタミビルは入院リスクの低下とは関連しなかったが、 消化器系の有害事象の増加とは関連していた。 本研究はJAMA Intern Med誌において発表された。
そもそも、 インフルエンザ→タミフル→入院リスク低下するかどうか、 というのが少し実臨床とのずれを感じます。 症状緩和をアウトカムとして評価して欲しいです。
オセルタミビルは広く使用されているにもかかわらず、 外来患者に投与した場合に入院リスクが低下するかどうかについては、 先行するメタ解析による要約エビデンスでは矛盾した結論が得られている。 医師主導の大規模無作為化臨床試験のいくつかは、 まだメタ解析で検討されていない。
インフルエンザ感染が確認された外来患者において、 オセルタミビルとプラセボまたはnonactive controlsを比較した無作為化臨床試験
入院はリスク比 (RR) およびリスク差 (RD) 推定値と95%CIで統合された。
全体として、 オセルタミビルはintention-to-treat集団における入院リスクの低下とは関連していなかった。
オセルタミビルは、 高齢者集団 (平均年齢65歳以上:RR 0.99、 95%CI 0.19-5.13) または入院リスクが高いと考えられる患者 (RR 0.90、 95%CI 0.37-2.17) における入院の減少とも関連していなかった。
オセルタミビルは悪心 (RR 1.43、 95%CI 1.13-1.82) および嘔吐 (RR 1.83、 95%CI 1.28-2.63) の増加と関連したが、 重篤な有害事象 (RR 0.71、 95%CI 0.46-1.08) は増加しなかった。
インフルエンザの外来患者を対象としたこの系統的レビューおよびメタ解析において、 オセルタミビルは入院リスクの低下とは関連しなかったが、 消化器系の有害事象の増加とは関連していた。 この目的での使用継続を正当化するためには、 適切な高リスク集団を対象とした十分な検出力を有する試験が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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