HOKUTO編集部
4ヶ月前
本項では、 軽度~中等度の強さの痛みに用いられるオピオイド鎮痛薬の特徴について、 厚生労働省の 「医療用麻薬適正使用ガイダンス」¹⁾や添付文書などを基に、 HOKUTO編集部協力薬剤師のコメントとともに概説する。
原末、 散剤、 錠剤がある。1%散と5mg錠は麻薬規制の対象外である。
経口コデイン製剤の鎮痛効果は、 経口モルヒネ製剤の1/10の程度と考えられている*。
開始量 : 1回10~20mgを4~6時間ごと
小児への投与は禁忌
12歳未満の小児に対しては呼吸抑制のリスクが高く、 禁忌である。
麻薬として規制されていないオピオイド鎮痛薬であり、 麻薬処方箋が不要である。
ノルアドレナリンおよびセロトニンの再取り込み阻害作用を併せもつため、 神経障害性疼痛に対する鎮痛効果も期待できる。
経口剤 (速放製剤、 徐放製剤) と注射剤に、 がん疼痛の保険適応がある*。
定時投与薬
開始量 : 1日100mg
維持量 : 鎮痛効果が得られた量で、 1日50mg~400mg。 1日最大投与量は400mg
投与間隔 : 速放製剤は4~6時間ごと、 徐放製剤は12時間または24時間ごと
レスキュー薬
1日量の1/8~1/4を経口投与
開始量 : 1回100~150mg
投与間隔 : 4~5時間ごと
💡注射剤は筋注のみが承認されており、 持続静注・皮下注による投与方法は確立していない。
小児への投与は禁忌
12歳未満の小児に対しては呼吸抑制のリスクが高く、 禁忌である。
腎機能障害も禁忌
高度腎機能障害時 (CCr<30mL/min) は高い血中濃度が持続するおそれがあることから、 ワントラム®とツートラム®は禁忌である。 このような場合は、 トラマール®を少量から開始し漸増するとよい。
併用薬
セロトニン作動薬*¹等との併用は、 セロトニン症候群*²を生じる可能性があることに注意する。
服用方法
徐放製剤は、 噛んだり、 割ったり、 砕いたり、 溶解して服用してはならない。
👨⚕️ 患者さんが医療用麻薬の使用に抵抗がある場合、 コデイン (市販薬に含まれている成分と説明できる) やトラマドールが導入しやすいです。 両剤ともCYP2D6で代謝されオピオイド作用を発揮するため、パロキセチンやデュロキセチンなどのCYP2D6阻害薬との併用で効果が減弱する可能性があります。
<出典>
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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