海外ジャーナルクラブ
2年前
Bougheyらは、 多発性同側乳癌 (MIBC) の患者を対象に、 乳房温存療法 (BCT) 後の局所再発 (LR) リスクを単群第Ⅱ相前向き試験ACOSOG Z11102 (Alliance)で検討。 その結果、 乳房温存療法と術後補助放射線照射により、 5年の局所再発率が許容できるほど低くなることが明らかとなった。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
実際にMIBCに対してのBCTにおける腫瘍学的安全性を証明した研究です。 5年間観察での報告ですが、 JCO自体がメイン論文報告後の長期アウトカムを別に採用する雑誌として存在感を出しておりますので、 長期アウトカム結果も期待されます。
BCTは単房性乳癌の治療法として好まれているが、 MIBCに対する腫瘍学的安全性は前向き試験で証明されていない。
40歳以上の女性で、 生検で証明されたcN0-1乳癌の病巣が2~3個ある患者
患者は断端陰性で乳腺腫瘤摘出術を受け、 その後、 腫瘍床すべてに追加照射をかけた全乳房放射線を受けた。
5年後のLRの累積発生率
登録された270例のうち、 BCTを受けた適格者は204例であった
追跡調査期間中央値66.4カ月で、 6例が局所再発を発症し、 推定5年間の累積LR発症率は3.1%であった。
患者年齢、 術前生検で証明されたBCの部位数、 エストロゲン受容体の状態、 HER2の状態、 病理学的TおよびNカテゴリーは、 LRリスクと関連していなかった。
BCTと、 乳房切除部位のブーストを含む術後補助放射線照射により、 MIBCの5年LR率が許容できるほど低くなることを実証している。 特に術前乳房MRIで評価された病変を持つ患者において、 2~3個の同側病変を持つ女性に対する妥当な手術選択肢としてBCTを支持する。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。