海外ジャーナルクラブ
1年前
Waksらは、 新たに診断されたステージⅡ~Ⅲ ERBB2 (HER2) 陽性乳癌 (ERBB2+ BC) 患者でde-escalation術前化学療法をうける患者を対象に、 HER2DXアッセイによる病理学的完全奏効 (pCR) の確立の予測能を検討。 その結果、 HER2DXアッセイはERBB2+ BC患者のde-escalation術前化学療法後のpCRを予測できることが示唆された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
N=80の研究なので、 ROCカーブがガタガタなのですがAUCはしっかりと0.8程度あり、 ある程度の予測能が担保されています。
ERBB2+ BCで、 術前化学療法を受けた後にpCRを経験した患者の生存率は良好である。 pCRの可能性を予測することは、 術前療法を最適化するのに役立つと考えられる。
新たに診断されたステージⅡ~ⅢのERBB2+ BC患者
de-escalation術前化学療法
HER2DX pCR likelihood score (0-100の連続変数) がpCR (ypT0/isN0) を予測する能力
HER2DX pCRスコアはpCRと有意に関連していた。
高スコア群、 中スコア群、 低スコア群のpCR率
ER2DX pCRスコアは、 ホルモン受容体の状態、 ERBB2免疫組織化学スコア、 HER2DX ERBB2発現スコア、 マイクロアレイ50 ERBB2-enrichedサブタイプの予測解析とは独立して、 pCRと有意に関連していた。
HER2DX pCRスコアと予後リスクスコアの相関は弱かった (ピアソン係数 -0.12)。
リスクスコアの性能は、 再発イベントがないため評価できなかった。
HER2DX pCRスコアアッセイが、 早期ERBB2+ BC患者におけるde-escalation術前化学療法後のpCRを予測できることを示唆している。 HER2DX pCRスコアは、 deescalatedまたはescalatedアプローチの候補となる患者を特定することで、 治療方針の決定に役立つ可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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