【JAMA Oncol】HER2DXはERBB2陽性乳がん術前後のpCR予測に有効
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1年前

【JAMA Oncol】HER2DXはERBB2陽性乳がん術前後のpCR予測に有効

【JAMA Oncol】HER2DXはERBB2陽性乳がん術前後のpCR予測に有効
Waksらは、 新たに診断されたステージⅡ~Ⅲ ERBB2 (HER2) 陽性乳癌 (ERBB2+ BC) 患者でde-escalation術前化学療法をうける患者を対象に、 HER2DXアッセイによる病理学的完全奏効 (pCR) の確立の予測能を検討。 その結果、 HER2DXアッセイはERBB2+ BC患者のde-escalation術前化学療法後のpCRを予測できることが示唆された。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Assessment of the HER2DX Assay in Patients With ERBB2-Positive Breast Cancer Treated With Neoadjuvant Paclitaxel, Trastuzumab, and Pertuzumab. JAMA Oncol. 2023 Apr 27;e230181. PMID: 37103927

👨‍⚕️監修医師のコメント

N=80の研究なので、 ROCカーブがガタガタなのですがAUCはしっかりと0.8程度あり、 ある程度の予測能が担保されています。

🔢関連コンテンツ

乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

ERBB2+ BCで、 術前化学療法を受けた後にpCRを経験した患者の生存率は良好である。 pCRの可能性を予測することは、 術前療法を最適化するのに役立つと考えられる。

研究デザイン

対象

新たに診断されたステージⅡ~ⅢのERBB2+ BC患者

介入

de-escalation術前化学療法

パクリタキセル (週1回、 12週間) +トラスツズマブ、 ペルツズマブ (3週間ごと、 4サイクル)

主要評価項目

HER2DX pCR likelihood score (0-100の連続変数) がpCR (ypT0/isN0) を予測する能力

研究結果

HER2DX pCRスコアとpCRの関連

HER2DX pCRスコアはpCRと有意に関連していた。

OR 1.05、 95%CI 1.03-1.08、 P<0.001

高スコア群、 中群、 低群のpCR率

高スコア群、 中スコア群、 低スコア群のpCR率

  • 高スコア群:92.6%
  • 中スコア群:63.6%
  • 低スコア群:29.0%
高 vs 低 OR:30.6、 P<0.001

他のスコア、 予測解析との関連

ER2DX pCRスコアは、 ホルモン受容体の状態、 ERBB2免疫組織化学スコア、 HER2DX ERBB2発現スコア、 マイクロアレイ50 ERBB2-enrichedサブタイプの予測解析とは独立して、 pCRと有意に関連していた。

予後リスクスコアとの相関

HER2DX pCRスコアと予後リスクスコアの相関は弱かった (ピアソン係数 -0.12)。

リスクスコアの性能

リスクスコアの性能は、 再発イベントがないため評価できなかった。

結論

HER2DX pCRスコアアッセイが、 早期ERBB2+ BC患者におけるde-escalation術前化学療法後のpCRを予測できることを示唆している。 HER2DX pCRスコアは、 deescalatedまたはescalatedアプローチの候補となる患者を特定することで、 治療方針の決定に役立つ可能性がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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