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1年前

Oliverらは、 75歳以上のIA~IIA期非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 手術と定位放射線治療 (SABR) の治療効果を後ろ向き研究で比較した。 その結果、 全生存期間と局所再発の観点からは手術が依然として標準治療なものの、SABRにおいても短期・長期いずれにおいても優れた局所制御効果と忍容性が示された。 研究結果はCancers誌に発表された。
CARTモデルを用いて性別、 WHO Performance Status、 FEV1、 治療法の4つで意思決定支援ツールを提供しています。
IA~IIA期のNSCLCの標準療法はリンパ節郭清を伴う肺葉切除術であるが、 特に合併症を有する高齢患者で術後早期死亡率が高い。
一方で、 SABRは高齢患者に対して良好な局所制御と忍容性を示しており、 治療選択肢となっている。
この研究では、 限局性NSCLCに対する手術もしくはSABRによる治療を比較解析した。
単一施設後ろ向き研究の対象は、 2012年1月~2022年12月に手術またはSABRを受けた75歳以上の高齢NSCLC患者 (5cm未満、 N0、 M0)であった。
CART法を用いてサブグループ解析を行い、 生存および早期死亡に影響を及ぼす因子を特定し、 主要評価項目は全生存期間とした。
傾向スコアマッチングの結果、 手術群127例とSABR群85例がマッチした。
手術群の1年および5年の全生存率は83.87% (95%CI 77.4–90.8%) および47.30% (同36.1–62.0%)、 SABR群では88.8% (同82.2–96.0%) および31.5% (同19.9–49.9%) であり、 両群で有意差はなかった (p=0.068)。
また、 早期死亡率に影響を及ぼす因子として、 性別、 WHO Performance Status、 1秒間努力呼気容量 (FEV1)、 治療法の4つが特定され、 WHO Performance Status 0もしくは1であり、 FEV1が予測値の85%未満の男性患者は、 手術を受けると90日以内に死亡する可能性が高いことが示唆された。
著者らは、 「全生存率および局所・領域再発の観点からは、手術が依然として標準的な治療と考えられるものの、SABRにおいても短期・長期いずれにおいても優れた局所制御効果と忍容性が示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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