インタビュー
3日前

誰しも立ち止まり、 迷い、 そして踏み出した人生の瞬間がある。 医師の原点や転換点にフォーカスするインタビュー企画 「Doctor’s Career」。 今回は、 大阪府済生会茨木病院 内科系診療部長 兼 ICU部長の金村仁先生に話を聞いた。 (全3回の第3回)
>>第1回はコチラ。
>>第2回はコチラ。
現在、 自らのキャリアを 「最終章」 と考えている。 かつては父のクリニックを継ぐつもりでいたが、 父と話し合った結果、 クリニックは継がないことになった。
「働ける限り、 済生会茨木病院で働き続けたいと思っています」
赴任当初は10人前後だった内科医は現在約25人に増え、 診療科も広がった。 今は内科全体を統括する立場として、 臨床を続けながら病院づくりにも関わっている。
「志を持った若い医師に来てもらい、 病院全体をもっと活気ある場所にしていきたいと思っています」

初期研修と内科専攻医のプログラム責任者として、 若手医師の育成にも力を注ぐ。
「多様性を尊重し、 それぞれの希望やモチベーションに応じた自由度の高い研修プログラムを心がけています」
済生会茨木病院は、 臨床に触れる機会が多い。 患者を実際に診て、 手技を経験しながら力をつけていける環境がある。 専攻医向けのプログラムでも、 個々の経験や志向に合わせたスタートを重視している。
「医師3~5年目までの3年間で、 内科医として十分やっていける力を身につけてもらえるよう意識しています。 研修医や専攻医が『ここなら大丈夫だ』と安心して飛び込んでこられる。 そんな環境をつくることにやりがいを感じています」

若い医師に伝えたいのは、 医療の技術だけではない。 人との出会い、 さまざまな経験、 それらがすべて医師としての厚みにつながると考えている。
「若いうちに多くの人と出会い、 さまざまな経験を積んでほしいと思います」
コミュニケーション能力は、 臨床の現場で欠かせない。 人と向き合う経験を重ねることが、 結果的に患者に向き合う力にもつながる。
「私自身、 人との出会いから巡り巡って今ここで働いています。 患者さん一人ひとりに、 その時できる自分のすべてを注ぐ。 それだけはぶれずにやってきたつもりです」

「これほど感謝してもらえる職業は、 そう多くありません。 壮絶なことも大変なこともありますが、 命が助かり、 感謝してもらえる。 それが医師という仕事なのです」
済生会病院は、 急性期治療だけでなく、 訪問看護や介護老人保健施設まで含めた切れ目のない医療・福祉サービスを提供している。 地域に根ざした病院だからこそ、 長い時間を共有する患者も多い。

「赴任当初から通院している患者さんも多く、 60代だった方が80代に、 70代だった方が90代になりました」
長く通院してくれる患者がいることは、 地域医療に携わる実感そのものでもある。 患者とともに年齢を重ねながら歩んできた時間こそが、 地域医療の現場で医師として働く意味なのかもしれない。
最近はそう考えている。


編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。