HOKUTO編集部
5ヶ月前

再発リスクが高いホルモン受容体陽性HER2陰性かつリンパ節転移陽性早期乳癌の術後療法において、 CDK4/6阻害薬アベマシクリブ+内分泌療法併用の有効性および安全性を、 内分泌療法単独と比較した第III相無作為化比較試験monarchEの結果から、 OSが有意に改善した。 英・The Royal Marsden HospitalのStephen Johnston氏が発表した。
monarchE試験は、 術後療法としてアベマシクリブを内分泌療法に2年間上乗せすることで、 内分泌療法単独と比較して無浸潤疾患生存期間 (IDFS) および遠隔無転移生存期間 (DRFS) を有意に延長することが既に報告されている¹⁾。
今回は、 同試験の主要な副次評価項目である全生存期間 (OS) の主要解析結果、 およびIDFS・DRFSの更新推定値が報告された。
OSの主要解析は、 ITT集団で約650例の死亡イベント発生時点で、 事前に規定された有意水準に基づき解析された。 データカットオフ時点 (2025年7月15日) において、 追跡期間中央値は76ヵ月であり、 全例が4年以上前にアベマシクリブの投与を終了していた。
ITT集団において、 死亡イベントはアベマシクリブ群で301件、 対照群で360件発生した。 OSのHRは0.842 (95%CI 0.722-0.981)、 p=0.0273と事前に規定されていたOSの有意水準であるp値 (0.0434)を下回り、 アベマシクリブ群での有意な改善が示された。
OSサブグループ解析の結果、 閉経状態、 リンパ節転移数、 腫瘍グレードなど、 事前に規定された主要なサブグループにおいても、 概ねアベマシクリブ群が優位だった。
IDFSおよびDRFSのベネフィットは、 アベマシクリブ投与終了後も持続し、 両群の曲線は経時的に乖離し続けた。
84ヵ月IDFS率は、 アベマシクリブ群が77.4%、 対照群が70.9%だった (HR 0.734 [95%CI 0.657-0.820]、 p<0.0001)。
84ヵ月DRFS率はそれぞれ80.0%、 74.9%であり、 遠隔再発リスクは25.4%減少した (HR 0.746 [同 0.662-0.840]、 p<0.0001)。 遠隔再発後の1次治療としてCDK4/6阻害薬を使用した患者の割合は、 アベマシクリブ群 (30.0%) よりも対照群 (47.3%) の方が高かった。
安全性プロファイルはこれまでの報告と一致していた。 遅発性毒性に関する新たな懸念は認められなかった。 投与終了後の追跡期間において、 有害事象(AE)による死亡はアベマシクリブ群で1.6%、 対照群で1.1%に認められたが、 AEに起因する死因 (感染症、 2次癌、 心疾患など) において両群間で差は認められなかった。
Johnston氏は 「アベマシクリブは、 再発リスクの高いホルモン受容体陽性HER2陰性でリンパ節転移陽性の早期乳癌患者において、 OSの有意な改善を達成した初のCDK4/6阻害薬である」 と報告した。
¹⁾ J Clin Oncol. 2024 Mar 20;42(9):987-993. Epub 2024 Jan 9.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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