海外ジャーナルクラブ
6日前

Koskasらは、 排膿が予定された18歳以上の卵管卵巣膿瘍患者を対象に、 超音波ガイド下経腟的ドレナージの腹腔鏡下手術に対する非劣性を、 多施設共同非盲検非劣性無作為化比較試験PACTOLで検証した。 その結果、 排膿6週後の治癒率について、 経腟的ドレナージの非劣性は示されなかった。 経腟的ドレナージ群では腹腔鏡下手術群に比べ、 再介入を要した患者の割合が高かった一方、 入院期間は短かった。 試験結果はJAMA Surg誌に発表された。
6週後の超音波検査の未実施例が多かったことも検出力を低下させ、 経腟的ドレナージの腹腔鏡手術に対する非劣性を示すことができませんでした。
卵管卵巣膿瘍に対しては、 抗菌薬投与と膿瘍の排膿を組み合わせた治療が行われている。 排膿には主に経腟的ドレナージあるいは腹腔鏡下手術が用いられている。 本試験では、 治癒率における腹腔鏡下手術に対する経腟的ドレナージの非劣性を検証した。
本試験は、 卵管卵巣膿瘍の排膿が予定されている18歳以上の患者を対象とした多施設共同、 非盲検、 非劣性無作為化比較試験である。 患者はフランスの19施設で登録され、 2019年4月30日~2023年4月29日に無作為化が行われた。 追跡期間は6週間であった。 患者は以下の2群に無作為に割り付けられた。
主要評価項目は排膿後6週時の治癒率*で、 非劣性マージンは-12.5%に設定された。
登録された208例 (平均年齢34.7歳) のうち130例がPer-protocol (PP) 解析の対象となった。
排膿6週後の治癒率は、 経腟的ドレナージ群で72.5% (50/69例)、 腹腔鏡下手術群で77.0% (47/61例) であった (群間差 -4.6%㌽、 95%CI -19.4~10.7%㌽)。 95%CIの下限 (-19.4%㌽) が非劣性マージン (-12.5%㌽) を下回ったことから、 腹腔鏡下手術に対する経腟的ドレナージの非劣性は示されなかった。
治癒を構成する項目のうち、 卵管卵巣の貯留の残存および抗菌薬の再開については、 群間差を認めなかった。
一方、 再介入を要した患者の割合は、 腹腔鏡下手術群の3.3% (2/61例) に対し、 経腟的ドレナージ群では13.0% (9/69例) と高かった (p=0.046)。
Intention-to-treat (ITT) 集団201例では、 入院期間中央値は腹腔鏡下手術群が3日 (四分位範囲 [IQR] 2-4日)、 経腟的ドレナージ群が2日 (IQR 2-3日) であり、 経腟的ドレナージ群と比べて腹腔鏡下手術群で長かった (p=0.01)。 また、 排膿後の疼痛スコアは腹腔鏡下手術群と比べて経腟的ドレナージ群でより速やかに低下した。
Clavien-Dindo分類でGrade II以上の外科的合併症の発生率については、 群間差は認められなかった。
著者らは、 「腹腔鏡下手術に対する経腟的ドレナージの非劣性は示されず、 経腟的ドレナージ群では再介入を要する頻度も高かった。 一方で、 低侵襲である点を踏まえれば、 再介入の可能性が高いことを患者に伝えたうえで、 腹腔鏡下手術の代替として提示されるべき手技である」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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