海外ジャーナルクラブ
5日前

Tysonらは、 上皮内癌 (CIS) を伴う高リスクのBCG不応性筋層非浸潤性膀胱癌 (NMIBC) を対象に、 腫瘍溶解性免疫療法cretostimogeneの膀胱内注入を第Ⅲ相単群試験BOND-003 Cohort Cで検討。 その結果、 追跡期間中央値25.8ヵ月において、 いずれかの時点で75%が完全奏効 (CR) を達成した。 試験結果はLancet Oncology誌において発表された。
BCG不応性筋層非浸潤性膀胱癌 (CIS) では標準治療が確立されておらず、 根治的膀胱全摘術への無作為割付も困難であるため、 単群試験デザインを採用しており、 歴史的対照との比較に基づく結果の一般化には限界があります。
高リスクのBCG不応性NMIBCでは、 有効性と安全性を兼ね備えた膀胱温存治療の選択肢が乏しい。 cretostimogene grenadenorepvec (以下cretostimogene) は、 retinoblastoma-E2F経路に異常を有する癌細胞内で増殖して癌細胞を溶解するとともに、 免疫応答を増幅するという二重の作用機序をもつ腫瘍溶解性免疫療法である。
対象は、 18歳以上でECOG PS 0~2、 病理学的に確認されたCISを伴う高リスクBCG不応性NMIBC患者であり、 切除された高異型度TaまたはT1病変の合併は問わなかった。
2020年10月9日~2023年8月3日に115例が登録され、 112例がcretostimogeneの投与を受けた。 cretostimogeneは1週当たり1×10¹²ウイルス粒子/0.8 mLを膀胱内に注入し、 6週間の導入療法後に維持療法へ移行した。 3ヵ月時点で病変が残存している場合には、 再導入療法を許容した。
主要評価項目は、 cretostimogeneを1回以上投与され、 3ヵ月時点の評価を完了した患者における、 中央判定による 「いずれかの時点でのCR」 だった。
追跡期間中央値25.8ヵ月 (IQR 22.1-33.1ヵ月) において、 いずれかの時点でのCRは110例中83例 (75%、 95%CI 66.3-83.2%) に認められた。
治療関連有害事象は63%に認められた。 主なものは膀胱痙攣 (25%)、 頻尿 (22%)、 尿意切迫 (21%) であった。 Grade3~4の治療関連有害事象は認められず、 治療関連の投与中止・死亡もなかった。 重篤な治療関連有害事象は2例 (2%) で、 非感染性膀胱炎1例と膀胱出血1例 (いずれもGrade2) であった。
著者らは、 「CISを伴う高リスクBCG不応性NMIBCにおいて、 cretostimogeneが膀胱温存治療の選択肢となる可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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