JSMO SNS WG活動紹介「SNSを通して拡がる学会活動の可能性」
著者

日本臨床腫瘍学会

2ヶ月前

JSMO SNS WG活動紹介「SNSを通して拡がる学会活動の可能性」

JSMO SNS WG活動紹介「SNSを通して拡がる学会活動の可能性」
MOS2026春での集合写真
2023年に発足した日本臨床腫瘍学会のSNSワーキンググループ (JSMO SNS-WG) は、 学会公式SNSの運用基盤を整えながら、 JSMOの活動や臨床腫瘍学の魅力を広く届けるための発信を進めてきました。 学術集会でのリアルタイム発信や情報発信体制の整備を通じて、 その役割は着実に広がっています。 本稿では、 SNS-WGのこれまでの取り組みを振り返るとともに、 患者・市民や社会に向けた今後の展望、 そして若手医師が参画する意義について、 瀬口京介先生にご寄稿いただきました。 

執筆者

JSMO SNS WG活動紹介「SNSを通して拡がる学会活動の可能性」
2019年3月、 近畿大学医学部卒。 2023年4月、 東京医科歯科大学院医歯学総合研究科に入学。 2019年4月より亀田総合病院にて初期研修医、 内科専攻医を経て2025年4月より現職。

SNS-WGの取り組み

学会公式SNSの運用基盤を整備し、 発信環境そのものも前進

JSMO SNS-WGは2023年の発足以来、 学会公式SNSの運用基盤を整えるとともに、 JSMOの活動や臨床腫瘍学の魅力をより多くの人に届けるための取り組みを着実に進めてきました。 これまでに、 SNS利用指針や運営内規、 投稿フローの整備といった土台づくりに加え、 学術集会や医学生・研修医セミナーでのリアルタイム発信、 学会シンポジウムの企画、 『腫瘍内科』での情報発信、 さらには学術集会におけるスライド撮影・SNS投稿解禁の推進など、 発信環境そのものを前に進める活動にも取り組んできました。

発信力が高まり、 新たな接点も

こうした活動の結果、 JSMO公式Xアカウントのフォロワー数は2026年2月24日時点で5,183人に達し、 この1年で940人増加しました。 特にJSMO学術集会の前後にはフォロワー数・インプレッションともに大きく伸び、 学会発信が着実に広がりを生んでいます。 JSMOの情報発信力を高めるだけでなく、 若手医師や関連領域の医療者、 さらには社会との新たな接点が広がりつつあることがうかがえます。

今後の展望

学会SNS活動は 「広報」 から 「戦略」 へ

これまでのSNS-WG活動は主にJSMOの活動の広報や若手医師・医療者へのアプローチが中心でしたが、 これらはあくまで初期の活動として位置付けられると思います。 学会SNS活動は単なる学会広報だけでなく、 ①会員・若手医師向け、 ②患者・家族・市民向け、 ③社会・政策向け、 の3層のターゲットを想定し、 学会の存在意義を見える化する戦略的チャンネルであり、 コミュニティ形成とエンゲージメント、 信頼の形成が、 学会の成長のドライバーとなり得ると思います。 ここでは特に現状行えていない②患者・家族・市民向け、 ③社会・政策向けのSNS活動について個人的な展望についてお話しします。

JSMO SNS WG活動紹介「SNSを通して拡がる学会活動の可能性」
JSMO 2026の委員会企画「がん情報、 誰にどう届ける? ~多職種・多施設・多団体をつなぐコミュニケーション~」発表後にSNS WG委員で記念撮影

JSMOはすでにSNS利用指針の中で、 SNSを通じて 「がんに関する情報を発信し国民と共有する」 ことを明示しており、 公式サイトでも患者・家族、 国民、 研究者・医療者に対してがん医療情報を発信する立場を掲げています。 つまり、 患者・市民への発信は新しい役割というより、 これからはSNSを通して既存の使命をより戦略的に実装する段階と捉えています。 他学会の活動もその方向性を裏付けており、 日本癌治療学会、 日本循環器学会、 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では、 CM、 公式X、 YouTube、 Instagram、 Facebook等のSNSを運用しており、 専門家団体が一般市民や社会に向けて疾患理解を広げることが、 いまや標準的な学会活動になりつつあります。 特にがんは患者が診断直後からSNSや動画で情報探索を行うことが多く、 誤情報や極端な体験談が意思決定に影響しやすいため、 専門学会が信頼できる情報ハブとして機能する意義が大きい疾患領域です。

今後の最重要な柱は「ペイシェントアドボカシーと市民啓発」

患者・家族・市民向けとしてペイシェントアドボカシーと市民啓発は今後の最重要の柱と考えています。 標準治療の考え方、 副作用との付き合い方、 がん薬物療法専門医とは何か、 臨床試験の意味、 支持療法、 ACP、 がんと仕事、 希少がん・若年がん・高齢者がんなど、 個別医療相談ではなく、 患者の意思決定を支える“信頼できる共通言語”を提供することが学会SNS活動に求められていると考えています。

最重要課題は誤情報対策

また、 社会・政策向けとして誤情報対策が最重要課題と考えています。 がん医療では、 SNSで拡散される代替療法、 根拠の乏しい検査、 誇張的な治療情報への対応が重要です。 JSMOのSNSは、 学会見解やFAQ、 短い解説動画を通じて、 社会に対する“ファクトチェックの基準点”になるべきだと考えています。 社会に対するインパクトも大きいため、 監修体制、 COI、 更新ルール、 炎上時対応等の適切な体制整備が必要です。

持続可能な財源設計の模索も

しかし、 このような学会SNS活動は大きな可能性を秘めていますが、 決して臨床医の片手間で成立するものではありません。 先行する国内事例において予算等は公開されていませんが、 いずれも委員会主導、 事務局連携、 必要に応じた外部連携で運営されています。 海外主要腫瘍学会におけるSNS・患者向け発信・アドボカシー活動においても、 いずれも豊富な予算ならびに専任スタッフ体制に支えられています。 JSMOにおいても、 患者・家族・市民への正確な情報発信と若手医師への継続的リーチを実現し、 学会の成長のドライバーとするには持続可能な財源設計が必要です。 現実的な方法として他のがん関連学会とのSNS活動の連携および外部団体との連携を模索する事で少しずつ活動の幅を広げていければと考えています。

JSMO SNS WG活動紹介「SNSを通して拡がる学会活動の可能性」
MOS2026春でのSNS-WGの発表 (演者 : 扇屋 大輔先生)

若手医師参画の魅力

キャリア形成に直結しやすい

若手医師にとっての大きな魅力は、 キャリア形成に直結しやすいことが挙げられると思います。 SNS-WGは性質上、 他委員会とも密接に連携しており、 広報、 教育、 キャリア支援といった学会の複数機能に接点を持ちやすく、 これは若手医師にとって学会内でのネットワーキング形成を通して、 将来の委員会活動や企画参加につなげる上でも有利だと思います。

“安全で質の高い発信”を学べる

また、 SNS-WGは今後、 活動の拡大が期待されており、 急速に発展している臨床腫瘍学を社会へどう届けるかを実践する場となっていくと思います。 そのような時代において“安全で質の高い発信”について学び、 医学情報を社会へ翻訳する訓練が詰める事は今後のキャリア形成に大きく効いていくるはずです。 実際、 近年SNS発信自体がキャリア形成につながる機会が増えており、 若手医師にとってSNS活動は学術活動やキャリア形成の一部として位置付けられ始めています。

JSMO SNS-WGへの若手医師の参画は、 学会の公式発信を担う実践的な学びの機会であり、 適切な医学情報発信スキルの習得や学会内外のネットワーク形成、 ならびに将来的なキャリア形成につながる点で若手医師にとって大きな意義を有すると思います。 是非興味のある若手の先生方の参画をお待ちしています。

日本臨床腫瘍学会について

がん薬物療法に携わる医師のための学会

日本臨床腫瘍学会 (JSMO) は、 がん薬物療法を専門とする医師・医療者の教育、 研究、 臨床の発展を目的とした学術団体です。

学術集会や教育セミナー、 専門医制度の運営、 ガイドライン・声明の発信などを通じて、 がん診療の質向上に取り組んでいます。

入会手続き・詳細はこちら

JSMOへの入会方法や、 具体的な手続きの流れについては、 HOKUTO内の関連記事でわかりやすく解説しています。

「どこから申請するのか」 「どんな情報が必要なのか」 など、 入会前に気になるポイントを整理した内容になっていますので、 あわせてご覧ください。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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