【NEJM】gantenerumabは早期ADのアミロイド負荷を低減、 症状悪化は抑制せず
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海外ジャーナルクラブ

12ヶ月前

【NEJM】gantenerumabは早期ADのアミロイド負荷を低減、 症状悪化は抑制せず

【NEJM】gantenerumabは早期ADのアミロイド負荷を低減、 症状悪化は抑制せず
Bateman氏らは、 早期アルツハイマー病 (AD) 患者を対象に、 完全ヒトモノクローナルIgG1抗体gantenerumabの効果について第III相無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験 「GRADUATE I」 および 「GRADUATE II」 で検討した。 この結果、 116週時点でプラセボ群に比較してアミロイドプラークによる負荷を低減させたが、 臨床症状の悪化抑制とは関連しなかった。 本研究はNEJMに掲載された。 

📘原著論文

Two Phase 3 Trials of Gantenerumab in Early Alzheimer's Disease

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

アルツハイマー病を含めた神経領域では昨今negative studyが続いています。 ふと神経領域ではアウトカムbasedではなく、 病態orientedの治療を考えたくなりますが、 本研究結果を見るとやはりアウトカムの重要性を再認識します。

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背景

アミロイドβ (Aβ) を標的とするモノクローナル抗体は、 早期AD患者の認知機能および身体機能の低下を遅らせる可能性がある。 gantenerumabは、 Aβ凝集体に対して最も高い親和性を有する完全ヒト型抗Aβ IgG1モノクローナル抗体であり、 皮下投与型のAD治療薬として試験が進められている。

研究デザイン

対象

ADによる軽度認知障害または軽度アルツハイマー型認知症を有する50~90歳の患者

介入

患者を以下のように1 : 1の割合で無作為に割り付け、 2件の第Ⅲ相試験 (GRADUATE IおよびII) を実施した。

  • gantenerumab群
2週間毎に皮下投与
  • プラセボ群

主要評価項目

116週目におけるCDR6項目合計スコア (CDR-SB) のベースラインからの変化量

研究結果

主要評価項目

CDR-SBのベースラインからの変化量に有意差は認められなかった。

GRADUATE I

  • gantenerumab群 : 3.35
  • プラセボ群 : 3.65
群間差 : -0.31、 p=0.10
95%CI -0.66-0.05

GRADUATE II

  • gantenerumab群 : 2.82
  • プラセボ群 : 3.01
群間差 : -0.19、 p=0.30
95%CI -0.55-0.17

副次評価項目

116週時点でのPETにおける両群のアミロイドレベルの差

  • GRADUATE I : -66.44センチロイド
  • GRADUATE Ⅱ : -56.46センチロイド

gantenerumab群におけるアミロイド陰性状態の患者割合

  • GRADUATE I : 28.0%
  • GRADUATE II : 26.8%

安全性評価

浮腫を伴うアミロイド関連画像異常の発現率

  • gantenerumab群 : 24.9%
  • プラセボ群 : 2.7%

結論

早期ADにおいて、 gantenerumabはアミロイドプラーク負荷を低減させたが、 臨床症状の悪化の抑制とは関連付けられなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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