海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Liu氏らは、 米食品医薬品局 (FDA) による迅速承認を受けた癌治療薬の臨床的有用性について、 公開されているFDAのデータを用いてコホート研究で検討した。 その結果、 迅速承認を受けた癌治療薬の多くは承認後5年以内に全生存期間 (OS) または生活の質 (QOL) に関する有益性を示せず、 臨床的有用性は半数未満でしか示されなかったことが明らかになった。 本研究はJAMA誌において発表された。
FDAの迅速承認に際してその根拠がJAMAに掲載されることが多いのでJAMA自らこの研究成果を掲載する意義が極めて大きいです。 JAMA特有の研究意義 (Meaning) のところには一部の抗癌薬は、 患者の延命やQOLの改善において、 最終的に有益性を示さない、 と厳しくコメントしています。
FDAによって迅速承認された癌治療薬の最終的な臨床的有用性について明らかにし、 通常承認への転換の根拠を評価する。
2013~23年にFDAが迅速承認した癌治療薬 : 129件
6.3年
43% (20件)
9.9年→3.6年に短縮
1.6年→3.6年に延長
通常承認に変更された適応症48件の根拠割合
また、 2% (1件) は確認試験で有効性が証明されなかったにもかかわらず通常承認を受けていた。
著者らは 「迅速承認された癌治療薬のほとんどは、 5年以内にOSまたはQOLのベネフィットを示さなかった。 患者には迅速承認制度や患者中心の臨床転帰で有益性を示さない抗癌薬について明確に知らせるべきである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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