【JAMA】FDA迅速承認の抗癌薬、 多くが有益性を示せず
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【JAMA】FDA迅速承認の抗癌薬、 多くが有益性を示せず

【JAMA】FDA迅速承認の抗癌薬、  多くが有益性を示せず
Liu氏らは、 米食品医薬品局 (FDA) による迅速承認を受けた癌治療薬の臨床的有用性について、 公開されているFDAのデータを用いてコホート研究で検討した。 その結果、 迅速承認を受けた癌治療薬の多くは承認後5年以内に全生存期間 (OS) または生活の質 (QOL) に関する有益性を示せず、 臨床的有用性は半数未満でしか示されなかったことが明らかになった。 本研究はJAMA誌において発表された。

📘原著論文

Clinical Benefit and Regulatory Outcomes of Cancer Drugs Receiving Accelerated Approval. JAMA. 2024 Apr 7:e242396. PMID: 38583175

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

FDAの迅速承認に際してその根拠がJAMAに掲載されることが多いのでJAMA自らこの研究成果を掲載する意義が極めて大きいです。 JAMA特有の研究意義 (Meaning) のところには一部の抗癌薬は、 患者の延命やQOLの改善において、 最終的に有益性を示さない、 と厳しくコメントしています。


迅速承認の抗癌薬は本当に有用?

FDAによって迅速承認された癌治療薬の最終的な臨床的有用性について明らかにし、 通常承認への転換の根拠を評価する。

過去10年の迅速承認薬を検討

対象

2013~23年にFDAが迅速承認した癌治療薬 : 129件

評価項目

  • QOLまたはOSの改善の証明
  • 通常承認に変更された薬剤と適応症の確認試験によるエンドポイントと、 変更までの期間

臨床的有用性の証明率は半数未満

追跡期間中央値

6.3年

追跡期間≧5年の癌治療薬と適応症46件の分析結果

  • 通常承認 : 63% (29件)
  • 取り下げ : 22% (10件)
  • 中央値時点で継続中 : 15% (7件)

確認試験による臨床的有用性の証明率

43% (20件)

承認取り下げまでの期間

9.9年→3.6年に短縮

通常承認までの期間

1.6年→3.6年に延長

2次解析の結果

通常承認に変更された適応症48件の根拠割合

  • OS : 40% (19件)
  • 無増悪生存期間(PFS) : 44% (21件)
  • 奏効率+奏効期間 : 10% (5件)
  • 奏効率 : 4% (2件)

また、 2% (1件) は確認試験で有効性が証明されなかったにもかかわらず通常承認を受けていた。

迅速承認と通常承認の適応の比較結果

  • 変更なしの割合 : 38% 
(48例中18例)
  • 異なる適応症であった割合 : 63% 
(48例中30例)

5年以内にOS/QOLの利益示せず

著者らは 「迅速承認された癌治療薬のほとんどは、 5年以内にOSまたはQOLのベネフィットを示さなかった。 患者には迅速承認制度や患者中心の臨床転帰で有益性を示さない抗癌薬について明確に知らせるべきである」 と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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