【独自調査&解説】進行胃癌治療におけるHER2検査とHER2治療の実際は?
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HOKUTO編集部

1年前

【独自調査&解説】進行胃癌治療におけるHER2検査とHER2治療の実際は?

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進行胃癌の治療方針について

2025年2月12~17日に、 消化器内科・消化器外科・腫瘍内科のHOKUTO医師会員を対象に 「進行胃癌の治療方針について」 のアンケートを実施しました。 その結果、 500人 (消化器内科 : 283人、 消化器外科 : 189人、 腫瘍内科 : 28人) から回答が得られました。 各設問に対する診療科別の回答は以下のような結果となりました。

Q1. 進行胃癌の病理診断時に、 原則として全例、 HER2検査を行いますか?

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全体で最も回答が多かったのは 「全例HER2検査を行う」 で、 87%を占めました。 「全例HER2検査を行う」 の回答は、 腫瘍内科で100%という結果となりました。

Q2. 進行HER2陽性胃癌の1次治療に、 原則として全例、 トラスツズマブを使用しますか?

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全体で最も回答が多かったのは 「全例トラスツズマブを使用する」 で、 82%を占めました。 「全例トラスツズマブを使用する」 の回答は、 腫瘍内科、 消化器外科よりも消化器内科で10%程度少なくなりました。

Q3. 進行HER2陽性胃癌の2次治療に、 nab-パクリタキセル*とパクリタキセルのどちらを選択することが多いですか?

*アルブミン懸濁型パクリタキセル
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全体で最も回答が多かったのは 「nab-パクリタキセル」 で、 59%を占めました。 診療科によらず、 ほぼ同じ回答割合が得られました。

Q4. 進行HER2陽性胃癌の3次治療に、 ニボルマブとT-DXd*のどちらを選択することが多いですか?

*トラスツズマブ デルクステカン
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全体で最も回答が多かったのは 「ニボルマブ」 で、 68%を占めました。 回答は腫瘍内科とそれ以外で大きく異なり、 腫瘍内科では 「T-DXd」 が75%なのに対し、 消化器外科では 「ニボルマブ」 が69%、 消化器内科では 「ニボルマブ」 が72%という結果となりました。

専門医はこう考える

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T-DXd浸透後のHER2陽性胃癌の診断、 治療の実態は?

HER2陽性胃癌の診断と治療に関しては、 先行薬であるトラスツズマブ (ハーセプチン®️) の特許切れ以降は、 市場における積極的なPR活動が行われていない。 3次治療適応としてのT-DXd (エンハーツ®️) は有用性の高い薬剤であるが、 1次治療の薬剤選択に関しては、 CLDNやCPSのバイオマーカーから治療戦略を構築する話題が大半であり、 HER2関連の診断と治療についてディスカッションされる場面が少なくなっているのが現状である。

そこで、 今回の調査では、 T-DXdが導入されて十分に臨床現場に浸透したという前提で、 医師の臨床実態を解析することを目的とした。

HER2検査を行わずに治療を開始することは避けたい

HER2検査の施行率に関して、 腫瘍内科医のサンプル数が少ないが、 100%の実施率はさすがである。 HER2陽性症例でのHER2治療の有効性は明らかであり、 HER2検査を行わずに治療を開始することは避けたい。

1次、 2次治療の処方率は診療科を問わず一定の傾向

HER2陽性胃癌に対してトラスツズマブ治療を施行する率は、 診療科を問わずおおむね一定の傾向であった。 HER2陽性胃癌の2次治療は、 nab-パクリタキセル (アブラキサン®️) 処方率がパクリタキセルの処方率よりも高い傾向は診療科を問わず一定であった。

3次治療で興味深い結果、 両薬剤の優劣判断は難しい

3次治療に関する回答は非常に興味深い。 腫瘍内科医は、 T-DXd処方が優勢であり、 消化器外科医ならびに消化器内科医は、 ニボルマブ処方が優勢と回答している。 両薬剤の直接的な比較試験は報告されていないので、 優劣の判断は難しい。

臨床試験結果¹⁾の生存成績を単純に考えればCPS陽性であったとしてもT-DXd治療がより有効性が高いと感じられるが、 腫瘍内科医にとってT-DXdの試験結果のインパクトがより強かったのであろうか。 この点に関しては、 今後HER2陽性胃癌3次治療成績に関する、 十分な症例数によるリアルワールドデータが報告されることに期待したい。

〔出典〕
1) NEJM. 2020 Jun 18;382(25):2419-2430.

前回アンケート

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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