海外ジャーナルクラブ
3時間前

Lendorfらは、 タキサン系薬が投与されている患者を対象に、 投与時のフローズングローブ・ソックスを用いた冷却療法による化学療法誘発末梢神経障害 (CIPN) 予防効果を通常ケアと比較する無作為化比較試験CryoPacを実施。 その結果、 治療終了時のCIPN (Total Neuropathy Score [TNS] 2以上) の発生率は冷却療法群74%、 通常ケア群84%で、 両群間に有意差は認められなかった。 試験結果はAnn Oncol誌に発表された。
対照群の34例が冷却療法を希望して脱落しました。 脱落者と完遂者の背景に系統的な差は認められませんでしたが、 症例数の減少により統計学的検出力が低下し、 群間差を検出できなかった可能性があります。
CIPNはタキサン系薬による治療中に高頻度にみられる機能障害をもたらす有害事象である。 現時点で予防法や治療法は確立されていない。 小規模な研究では、 冷却療法がCIPNを予防し得ることが示唆されていた。
本試験の対象は、 パフォーマンスステータス (PS) 0~1で、 タキサン系薬の治療歴とCIPNの症状がなく、 ベースラインのTotal Neuropathy Score (TNS) が0の患者とした。 患者は以下の2群に1:1で無作為化された。
主要評価項目は治療終了時のCIPN (TNS 2以上)発生率とした。 副次評価項目は、 NCI-CTCAE v5.0で評価した末梢神経障害、 EORTC QLQ-CIPN20およびQLQ-C30による患者報告アウトカム、 定量的感覚検査 (QST) とした。
無作為化された268例のうち51例が脱落し、 217例 (冷却療法群123例、 通常ケア群94例) が解析対象となった。 治療終了時のCIPN発生率は全体で78%であり、 冷却療法群と通常ケア群に有意差は認められなかった。
CIPN発生率 (TNS 2以上)
p=0.071
EORTC QLQ-CIPN20のサブスケールでは、 通常ケア群と比べて冷却療法群で手のチクチク感 (tingling、 p=0.025)、 手のしびれ (p=0.025)、 足のしびれ (p=0.0005)、 細かい物を扱う際の困難 (p=0.006) の報告が少なかった。 QSTでは、 モノフィラメント検査で評価した触覚障害が通常ケア群と比べて冷却療法群で少なかった(p=0.006)。
NCI-CTCAEのGrade 2以上のCIPNについては群間差は認められなかった (p=0.2)。 QLQ-C30のスコアについても差はなく、 冷却療法は用量調整に影響しなかった。 冷却療法の遵守率は67%であった。
著者らは、 「冷却療法によって治療終了時のCIPN発生率 (TNS 2以上) の有意な低下は認められなかった。 しかし、 冷却療法群では感覚症状の報告が少なく、 触覚障害の軽減も認められた。 今後、 長期の追跡によって持続するCIPNに対する冷却療法の有益性が明らかになる可能性があり、 臨床的に意義のある介入となり得ることが示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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