HOKUTO通信
19日前

厚生労働省は2026年1月23日の中央社会保険医療協議会 (中医協) 総会で、 2026年度診療報酬改定に向けた個別改定項目を整理した短冊 (具体的な点数を示さない改定案) を提示した。 注目の一つが、 短期滞在手術等基本料について、 算定の 「適正化」 を目的に加算条件を見直す方針が示されたことだ。
短期滞在手術等基本料は、 在院日数が短く、 診療内容が一定程度標準化された手術を対象に、 入院基本料や一部の検査・処置などを包括して評価する制度として、 眼科、 消化器外科、 整形外科などで広く算定されてきた。 短期滞在での完結が想定される症例を前提としつつ、 算定が比較的容易で、 医療機関にとって収支の見通しを立てやすい。
一方、 術後経過や全身状態によっては入院期間が延びることもある。 制度上は包括評価であり、 入院期間が延びた場合に点数が追加される仕組みではないが、 実際の運用では、 結果的に短期滞在の想定を超えた症例についても、 短期滞在手術等基本料として評価されてきた側面がある。

今回の短冊では、 短期滞在での医療提供が医学的に合理的な症例であるかどうか、 施設として適切に症例選別や運用管理を行っているかといった点を、 より重視する姿勢が示されている。 これにより、 従来は一定の裁量が認められてきた運用についても、 制度の趣旨に沿った算定がなされているかが、 より明確に問われる可能性がある。
また、 施設基準を 「病院」 に限定している点も大きい。 有床診療所は算定対象外となるとみられる。
物価高騰への対応として新設される入院物価対応料や、 継続的な賃上げを行っていない医療機関に対する減算規定の対象に、 短期滞在手術等基本料が含まれることも示されており、 制度全体の中で、 入院医療の評価体系に組み込まれる形となっている。

影響が想定される診療科としては、 白内障手術を多数実施している眼科が挙げられる。 これまで病院に加え、 有床診療所でも算定されており、 評価方法や診療フローの見直しが迫られそうだ。
腹腔鏡下胆嚢摘出術、 鼠径ヘルニア手術などを行う消化器外科、 関節鏡手術や比較的侵襲の小さい手術が対象となってきた整形外科でも、 短期滞在の妥当性などが問われる可能性がある。
厚生労働省 : 中央社会保険医療協議会 総会 (第644回) 個別改定項目について (その1) ,主に205P以降

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。