【論文解説】低強度の治療を受ける成人AML患者の遺伝子分類 (ELN推奨2024年版)
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HOKUTO編集部

2ヶ月前

【論文解説】低強度の治療を受ける成人AML患者の遺伝子分類 (ELN推奨2024年版)

【論文解説】低強度の治療を受ける成人AML患者の遺伝子分類 (ELN推奨2024年版)

Genetic risk classification for adults with AML receiving less-intensive therapies: the 2024 ELN recommendations.

Blood. 2024 Aug 12:blood.2024025409. PMID: 39133932

低強度治療が施行される成人急性骨髄性白血病 (AML) 患者のリスク分類 (European LeukemiaNet  [ELN] 分類) に関してBlood誌にまとめられていたので紹介する。

成人AML患者のリスク分類

AML患者を対象にした従来のELNリスク分類はVen+Aza (ベネトクラクス+アザシチジン) 療法等のいわゆる低強度治療 (less-intensive therapy) の際には予後予測能が高くないことが問題となっている。 今回は低強度治療の使用時の成績を参考にリスク分類が提案されている。

今後は実臨床における問題点として、 強化治療 (intensive therapy) と低強度治療のいずれを選択するのが予後の改善につながるのかがわかりやすく示されたアルゴリズムのようなものが提案されてくることを期待したい。

低強度治療が施行される患者のリスク分類 (ELN 2024 Less-Intensive)ᵃ

【論文解説】低強度の治療を受ける成人AML患者の遺伝子分類 (ELN推奨2024年版)
a : この分類は、 メチル化阻害薬による前治療歴のある患者には適用されない
b : 予後良好群 : 活性化変異の有無に関わらず、 アザシチジン+ivosidenib治療を受けた患者に特に適用される
c : ヘテロ接合体に近い頻度 (アレル頻度が約50%) でDDX41変異が同定された場合、 生殖細胞系列変異の可能性に留意すべきである
d : 単独又は共異常として検出される、 多くの細胞遺伝学的異常や分子異常に関する知見は現在ない。 よって、 活性化変異の有無に基づき暫定的に予後良好群、 中間リスク群と分類されている
参考文献1) を基に編集部作成

遺伝子マーカー別の全生存期間中央値

【論文解説】低強度の治療を受ける成人AML患者の遺伝子分類 (ELN推奨2024年版)
a : 予後良好群 : 活性化変異の有無に関わらず、 アザシチジン+ivosidenib治療を受けた患者に特に適用される。
参考文献1) を基に編集部作成

出典

  1. Blood. 2024 Aug 12:blood.2024025409.

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