HOKUTO編集部
5ヶ月前

Parkerらは、 進行性前立腺癌を対象に、 デジタル化された病理画像と臨床的特性を統合したマルチモーダル人工知能 (MMAI) モデル 「ArteraAI Prostate」 の予後予測能を、 海外多施設共同第Ⅱ/Ⅲ相プラットフォーム試験STAMPEDEにおける4件の第Ⅲ相無作為化比較試験 (RCT) のデータを用いた事後解析で評価した。 その結果、 ArteraAI Prostateが前立腺癌特異的死亡 (PCSM) の予後予測に有用である可能性が示唆された。 本研究はLancet Digit Health誌において発表された¹⁾。
高リスクの局所進行または転移性前立腺癌における予後予測AIモデルはいまだ実用化されていない。 効果的な予後予測は、 前立腺癌患者の治療選択に影響を及ぼし、 予後を改善する可能性がある。
そこで本研究では、 プラットフォーム試験STAMPEDEにおける4件の第Ⅲ相RCTのデータを用いて、 MMAIモデルArteraAI Prostateの進行性前立腺癌における予後予測能を事後解析で評価した。
プラットフォーム試験STAMPEDEのうち、 ドセタキセル、 ドセタキセル+ゾレドロン酸、 アビラテロン、 アビラテロン+エンザルタミドの有効性を評価した4件の第Ⅲ相RCTのデータを基に、 112施設においてアンドロゲン除去療法を開始した転移性または転移リスク*の高い非転移性の進行性前立腺癌患者3,167例 (転移例 1,592例、 非転移例 1,575例) を対象として抽出した。
解析にはArteraAI Prostateが用いられ、 5年時PCSMとの関連性がFine-Gray回帰およびCox回帰により評価された。
追跡期間中央値6.9年において、 MMAIスコア (標準偏差 [SD] ごとの増加) はPCSMと有意に関連した (HR 1.40 [95%CI 1.30-1.51]、 p<0.0001)。
同スコア最上位四分位群 (Q4) は、 それ以外の群 (Q1-3) と比べて、 非転移例 (HR 2.12 [同 1.61-2.81]、 p<0.0001)、 転移例 (HR 1.62 [同 1.39-1.88]、 p<0.0001) のいずれにおいてもPCSMリスクが高かった。
疾患負荷とMMAIスコア四分位により層別化した5年時のPCSMの累積発生率は、以下のとおり (Q1-3 vs Q4 [カッコ内は95%CI] ) であり、 Q1-3とQ4の間に顕著なリスク差が認められた。
3% (2-4%) vs 11% (7-15%)
11% (8-14%) vs 20% (13-26%)
27% (23-31%) vs 43% (36-51%)
48% (44-52%) vs 68% (62-75%)
著者らは 「MMAIスコアを疾患負荷と組み合わせることで、 進行性前立腺癌の予後予測が向上する可能性がある」 と報告した。
¹⁾ Lancet Digit Health. 2025 Jul;7(7):100885. Epub 2025 Jun 3.
前立腺癌のADT至適期間をAIで予測、 一部で治療短縮の可能性
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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