海外ジャーナルクラブ
18日前

Sarrajらは、 発症後24時間以内に受診した大梗塞を伴う虚血性脳卒中患者を対象に、 血管内血栓除去術の有効性および安全性について、 PubMedおよびEmbase検索に基づくシステマティックレビューならびに個別患者データを用いたメタ解析で評価した。 その結果、 血管内血栓除去術は薬物療法と比べて、 90日時点の機能的転帰を改善し、 死亡率を低下させた。 本研究はLancet誌において発表された。
各試験では既に高度な虚血性変化や著明な脳浮腫を有する患者は除外されていたため、 進行した虚血患者への結果の解釈には注意が必要です。
広範な虚血性変化を有する患者は、 血管内血栓除去術の対象から除外されることが多い。
そこで本研究では、 これらの患者を対象とした近年の無作為化比較試験 (RCT) のエビデンスを統合するため、 システマティックレビューおよび個別患者データを用いたメタ解析を実施し、 臨床的および画像学的サブグループ内における治療効果を推定した。
2018年3月1日~2025年3月1日に発表され、 発症後24時間以内に受診した大梗塞を伴う虚血性脳卒中患者 (Alberta Stroke Program Early CT Score [ASPECTS] が5以下、 または虚血コア体積の推定値が50mL以上) において、 血管内血栓除去術の有効性および安全性を薬物療法と比較評価したRCTをPubMedおよびEmbaseで検索した。
適格基準を満たした6件のRCTから計1,886例の個別患者データが取得され、 以下の2群に分類された。
適格基準を満たした全試験から個別患者データを取得し、 中央画像コアラボラトリーがASPECTSを再判定するとともに、 虚血コア体積を再解析した。
主要評価項目は追跡期間である90日時点のmodified Rankin Scale (mRS) *スコア分布であり、 ランダム効果モデルを用いた2段階メタ解析により、 調整済み統合一般化オッズ比 (aGenOR) を算出した。 欠測データは多重代入法で補完した。 安全性評価項目は90日時点の全死因死亡率および無作為化後24~48時間以内の神経学的悪化 (調整プール相対リスク [aRR] として報告) ならびに無作為化後36時間以内の症候性頭蓋内出血 (リスク差として報告) であった。
虚血コア体積、 ASPECTS、 発症から無作為化までの経過時間で定義したサブグループを含め、 臨床および画像特性に基づくサブグループ解析を実施した。
ベースライン特性は両群間でおおむね同様であった。
90日時点のmRSスコア分布は、 薬物療法群 (931例) と比べて血管内血栓除去術群 (940例) で有意に改善した (aGenOR 1.63 [95%CI 1.42-1.88]、 p<0.0001)。 mRSスコア中央値は、 血管内血栓除去術群で4 (四分位範囲 [IQR] 3-6)、 薬物療法群で5 (IQR 4-6) であった。
90日時点の全死因死亡率は血管内血栓除去術群が31.1%であり、 薬物療法群の37.3%と比べて有意に低下した (aRR 0.8295%CI 0.70-0.97、 p=0.022)。
症候性頭蓋内出血の発生率は血管内血栓除去術群が1.1%、 薬物療法群が1.0%、 神経学的悪化の発生率はそれぞれ22.0%、 17.9%であり、 いずれも両群間で有意差は認められなかった (症候性頭蓋内出血 : 統合未調整リスク差 -0.17%㌽ [95%CI -1.01-0.67%㌽]、 p=0.69、 神経学的悪化 : aRR 1.19 [95%CI 0.87-1.62]、 p=0.27)。
血管内血栓除去術による機能的転帰の改善は、 臨床的および画像学的サブグループ全体で一貫していた。 ただし、 虚血コア体積の推定値が150mL以上の患者、 特に発症後0~6時間の早期例において点推定値は血管内血栓除去術を支持していたものの、 95%CIが広く、 解釈には限界があった。
著者らは 「発症後24時間以内に受診した大梗塞を伴う虚血性脳卒中患者において、 血管内血栓除去術は薬物療法と比べて機能的転帰を改善し、 死亡率を低下させた。 発症後6時間を超えて受診した、 虚血コア体積150mL以上の非常に広範な虚血性変化を有する患者では依然としてエビデンスが限られているものの、 それ以外の発症後24時間以内に受診した患者ではASPECTSや虚血コアの層別にかかわらず、 血管内血栓除去術のベネフィットが維持されていた」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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