【NEJM】デュピルマブは1~11歳の小児好酸球性食道炎にも有効
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1ヶ月前

【NEJM】デュピルマブは1~11歳の小児好酸球性食道炎にも有効

【NEJM】デュピルマブは1~11歳の小児好酸球性食道炎にも有効
Chehadeらは、 1~11歳の好酸球性食道炎 (EoE)に対する抗IL-4/13抗体デュピルマブの有効性について、 第Ⅲ相無作為化比較試験で検討した。 その結果、 デュピルマブ投与群はプラセボ群に比べ、 組織学的寛解割合が有意に高いことが示された。 本研究はNEJMで発表された。 

📘原著論文

Dupilumab for Eosinophilic Esophagitis in Patients 1 to 11 Years of Age. N Engl J Med. 2024 Jun 27;390(24):2239-2251. PMID: 38924731

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

小児対象の研究のため組織学的寛解率を主要評価項目としていると思われます。 プラセボの効果はわずか3%です。 臨床的な症状改善とした場合のプラセボ効果を実際の数値で見てみたい気持ちもあります。

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研究背景

デュピルマブは、 成人および思春期の好酸球性食道炎をはじめとした2型炎症を特徴とする、 異なる5種のアトピー性疾患に対する有効性が示されているが、 小児患者に対する効果は不明である。

研究デザイン

小児患児102例が対象

プロトンポンプ阻害薬が無効であった1~11歳の活動性好酸球性食道炎患者102例

パートA/Bに分けてRCTを実施

パートA

患者を以下の4群に2 : 2 : 1 : 1の割合で無作為に割り付けた。 曝露量は、 ベースラインの体重に基づく4段階用量のいずれかを用いた。

- 高曝露群 : 37例

  高曝露量レジメンでデュピルマブを16週間皮下投与

- 低曝露群 : 31例

  低曝露量レジメンでデュピルマブを16週間皮下投与

- プラセボ群 (2群) : 計34例

  高曝露群および低曝露群とそれぞれマッチさせたレジメンでプラセボを投与

パートB

パートA終了時に適格だった症例に実施された。 全例でデュピルマブが投与された。

- 各デュピルマブ群 : 同レジメンでデュピルマブを36 週間継続投与

- プラセボ群 : パート A と同レジメンでデュピルマブを36週間投与

主要評価は16週目の組織学的寛解

主要評価項目

16週目の組織学的寛解とした。 これは 「食道上皮内好酸球数の最大値が高倍率視野あたり6個以下」 と定義した。

副次評価項目

組織学的・内視鏡的・トランスクリプトーム関連の指標を階層的に検定した。

研究結果

曝露群で有意に組織学的寛解率が改善

16週目の組織学的寛解率は以下の通りであり、 曝露群で有意に組織学的寛解率が改善した。

- 高曝露群 : 68%

- 低曝露群 : 58%

- プラセボ群 : 3%

高曝露群とプラセボ群の差 : 65%㌽
  (95%CI 48-81%㌽)、 p<0.001
低曝露群とプラセボ群の差 : 55%㌽
  (95%CI 37-73%㌽)、 p<0.001

高曝露群では副次評価項目も改善

組織学的・内視鏡的・トランスクリプトーム関連指標は、 高曝露群でプラセボ群と比較して有意に改善した。

また、 患者全体で、 これらの指標のベースライン~52週の改善度の大部分は、 パートAでデュピルマブを投与された患者のベースライン~16週の改善度と同程度だった。

安全性シグナルは示されず

パートAでデュピルマブの投与を受けた患者は、 曝露量に関わらず、 プラセボ群に比べて新型コロナウイルス感染症、 悪心、 注射部位疼痛、 頭痛の発現率が10%㌽以上高かった。

また、 重篤な有害事象はパートAでデュピルマブ投与を受けた3例、 パートBで6例報告された。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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