【J Clin Oncol】未治療NSCLCへのカナキヌマブ追加はPFS・OS延長せず : CANOPY-1
著者

海外ジャーナルクラブ

11ヶ月前

【J Clin Oncol】未治療NSCLCへのカナキヌマブ追加はPFS・OS延長せず : CANOPY-1

【J Clin Oncol】未治療NSCLCへのカナキヌマブ追加はPFS・OS延長せず : CANOPY-1
Tan氏らは進行非小細胞肺癌(NSCLC)を対象に、 抗PD-1抗体ペムブロリズマブ+化学療法+抗IL-1β抗体カナキヌマブ併用療法の効果について、 第Ⅲ相二重盲検無作為化試験CANOPY-1を用いて検討した。 その結果、 プラセボ群と比較して無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) に有意な延長は認められなかった。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Canakinumab Versus Placebo in Combination With First-Line Pembrolizumab Plus Chemotherapy for Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer: Results From the CANOPY-1 Trial. J Clin Oncol. 2023 Dec 1:JCO2300980. PMID: 38039427

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する、 ペムブロリズマブ+化学療法(CT)と併用するカナキヌマブ(抗IL-1β抗体) の有効性が証明できなかったわけですが、 今後の治療手段を考えた場合には、 この患者群におけるIL-1βの役割をさらに明らかにしていくことがより重要です。

🔢関連コンテンツ

カルボプラチンAUC投与量計算

レジメン|Pembrolizumab

【J Clin Oncol】未治療NSCLCへのカナキヌマブ追加はPFS・OS延長せず : CANOPY-1

イラリス皮下注射液150mg


研究背景

1次治療における免疫チェックポイント阻害薬の追加により、 NSCLC患者の生存期間は延長してきているが、 予後は依然として不良であり、 新たな治療選択肢が求められている。

研究デザイン

対象

EGFRまたはALK遺伝子変異を有さない進行・転移性NSCLC患者 : 643例

介入

患者を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付け、 下記の1次治療を実施した。

  • カナキヌマブ併用群
ペムブロリズマブ(200mgを3週1回静脈内投与) +プラチナ製剤ベース2剤併用療法+カナキヌマブ (200mgを3週1回皮下投与)
  • プラセボ群

主要評価項目

PFS、 OS

副次評価項目

全奏効率、 安全性、 患者報告アウトカム

研究結果

主要評価項目

PFS、 OS共に有意差を認めなかった。

PFS中央値

  • カナキヌマブ併用群 : 6.8ヵ月
  • プラセボ群 : 6.8ヵ月
HR 0.85 (95%CI 0.67-1.09)、 p=0.102

OS中央値

  • カナキヌマブ併用群 : 20.8ヵ月
  • プラセボ群 : 20.2ヵ月
HR 0.87 (95%CI 0.70-1.10)、 p=0.123

副次評価項目

安全性評価

カナキヌマブ併用群に新たな安全性シグナルは認められず、 感染率は両群で同等であった。

結論

進行・転移性NSCLC患者において、 1次治療であるペムブロリズマブ+プラチナ製剤ベース2剤併用療法にカナキヌマブを追加しても、 患者のPFSおよびOSは延長しなかった。

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
【J Clin Oncol】未治療NSCLCへのカナキヌマブ追加はPFS・OS延長せず : CANOPY-1