海外ジャーナルクラブ
11ヶ月前
Tan氏らは進行非小細胞肺癌(NSCLC)を対象に、 抗PD-1抗体ペムブロリズマブ+化学療法+抗IL-1β抗体カナキヌマブ併用療法の効果について、 第Ⅲ相二重盲検無作為化試験CANOPY-1を用いて検討した。 その結果、 プラセボ群と比較して無増悪生存期間 (PFS) および全生存期間 (OS) に有意な延長は認められなかった。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。
進行非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する、 ペムブロリズマブ+化学療法(CT)と併用するカナキヌマブ(抗IL-1β抗体) の有効性が証明できなかったわけですが、 今後の治療手段を考えた場合には、 この患者群におけるIL-1βの役割をさらに明らかにしていくことがより重要です。
1次治療における免疫チェックポイント阻害薬の追加により、 NSCLC患者の生存期間は延長してきているが、 予後は依然として不良であり、 新たな治療選択肢が求められている。
EGFRまたはALK遺伝子変異を有さない進行・転移性NSCLC患者 : 643例
患者を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付け、 下記の1次治療を実施した。
PFS、 OS
全奏効率、 安全性、 患者報告アウトカム
PFS、 OS共に有意差を認めなかった。
PFS中央値
HR 0.85 (95%CI 0.67-1.09)、 p=0.102
OS中央値
HR 0.87 (95%CI 0.70-1.10)、 p=0.123
安全性評価
カナキヌマブ併用群に新たな安全性シグナルは認められず、 感染率は両群で同等であった。
進行・転移性NSCLC患者において、 1次治療であるペムブロリズマブ+プラチナ製剤ベース2剤併用療法にカナキヌマブを追加しても、 患者のPFSおよびOSは延長しなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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