【NEJM】難治性慢性咳嗽 総説 「何が分かる?」
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医療の最前線から

2ヶ月前

【NEJM】難治性慢性咳嗽 総説 「何が分かる?」

【NEJM】難治性慢性咳嗽 総説 「何が分かる?」
世界の注目総説論文を紹介する 「医療の最前線から」。 今回は、 2025年3月27日号のNEJM誌に掲載された 「難治性慢性咳嗽」 を取り上げます。 真に原因不明または難治性である患者は “10%” とされ、 診断手順の徹底と治療戦略の最適化が求められています。 本総説は鑑別疾患管理のポイントから最新のP2X3阻害薬研究の状況まで網羅しています。 

この論文で何が学べる?

💡慢性咳嗽の生理学

迷走神経性感覚神経との関連

💡 難治性慢性咳嗽の定義と鑑別

真に原因不明または難治性の症例とは

💡 精神医学と咳の関連

うつ病や不安のある患者に対する診療姿勢

原著論文で詳細を確認する

Unexplained or Refractory Chronic Cough in Adults. N Engl J Med. 2025 Mar 27;392(12):1203-1214. PMID: 40138554.

編集部が選ぶ 3つのポイント

1. GERDマネジメント

原因の一つである胃食道逆流症 (GERD) 由来の咳は胃酸抑制単独では改善しにくく、 食事・体重指導と消化管運動機能改善薬 (プロキネティクス) を組み合わせ、 最長6ヵ月のフォローが必要とされています。

【NEJM】難治性慢性咳嗽 総説 「何が分かる?」
N Engl J Med. 2025;392(12):1203-1214. を基に編集部作図
💡 チェックリスト形式で指導上の注意点が示されています。 

2. 言語療法+プレガバリンの効果

治療アプローチの一つである “マルチモーダル言語療法” は、 QOL指標を有意に改善し、 効果不十分例では神経障害性疼痛緩和薬のプレガバリン併用で咳関連症状頻度が改善させることが報告されています。

💡 マルチモーダル言語療法やその他の治療アプローチについて、 臨床試験の具体的なデータが紹介されています。 

3. 迷走神経シグナル伝達拮抗薬

治療薬の一つである “P2X3阻害薬ゲーファピキサント” については、 味覚障害の副作用と有効性の観点から、 米国では米食品医薬品局 (FDA) の承認には至らず、 現在さまざまなプリン受容体拮抗薬の研究が進行中です。

💡 各薬剤の臨床試験結果を比較したTable 2が必見です。 なお本邦においては、リフヌア®錠の商品名で承認されています。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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