メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
3ヶ月前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 第6回は 「タスクをこなすために知っておくべき4つの領域」 についてご解説いただきます。
Take home message
社会人としてのキャリアが進むにつれて、 多様な業務やタスクが増えていきます。 研修医1年目のときは 「今が最も忙しい」 と感じていたかもしれませんが、 年次が上がるにつれてその忙しさは増すばかりです。
最初はシステムや仕事に慣れること、 患者のケアに追われますが、 その後は学会発表や専門医試験、 論文執筆、 さらには専門領域の勉強といった異なる業務が増加し、 時間がいくらあっても足りないと感じるようになるでしょう。
また、 医師としての職務だけでなく、 家庭との両立も重要な課題となります。 そのような中で、 複数のタスクを同時にこなすマルチタスク能力が求められるようになります。
「緊急度と重要度のマトリクス」 という考え方は、 『The 7 Habits of Highly Effective People』 (邦題:『7つの習慣』) ¹⁾の著者スティーブン・R・コヴィー氏によって提唱されたタスク管理法です。 この方法では、 目の前のタスクがどの程度緊急で、 どれほど重要かを判断し、 それに基づいてタスクを4つの領域に分類します。
タスク管理において知っておくべき領域は以下の4つです。 これを皆さんの状況にあてはめて考えてみましょう。
緊急度も重要度も高い領域です。 締め切りの迫った仕事や患者さんからのクレーム対応など、 即時対応が必要となるもので、 何よりも先に着手しなければなりません。
すぐに取り組まなくても良いが、 重要である領域です。 自己学習や進路に向けた取り組み、 人脈作りなどが該当します。 今後の将来を左右する、 根幹となる活動の領域です。
すぐに対応することが求められるものの、 それほど重要ではない領域です。 日々のメール対応や雑用などが入ります。
緊急でも重要でもない領域。 将来の役に立つことがほとんどない、 時間の浪費ともいえる領域です。
これらの4つの領域を意識して、 タスクを緊急度と重要度の2×2のマトリクスに整理し、 自分のスケジュールに落とし込んで計画を立てることが重要です。 皆さんもぜひ実践してみてください。
レジデントのためのビジネススキル・マナー
医師として成功の一歩を踏み出す仕事術55
本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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