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12日前

【Blood Adv】慢性/難治性の免疫性血小板減少症治療にスチムリマブが有望


Broomeらは, 前治療の効果が不十分だった慢性または難治性の免疫性血小板減少症 (ITP) 患者を対象に, ヒト化抗C1s IgG4モノクローナル抗体スチムリマブ (Sutimlimab)の有効性と安全性を第Ⅰ相試験で検討. その結果, スチムリマブによるC1sの阻害が慢性/難治性ITP患者にとって安全かつ有益な治療アプローチとなる可能性が示唆された. 本研究は, Blood Adv誌において発表された. 

📘原著論文

Broome CM, et al, Safety and Efficacy of Classical Complement Pathway Inhibition with Stimulimab in Chronic Immune Thrombocytopenia. Blood Adv. 2022 Aug 16;bloodadvances.2021006864.PMID: 35973190

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

スチムリマブは寒冷凝集素症に対して2022年の2月に米国で初めて承認された薬剤であり, 米国で画期的治療薬の指定を受けています (本邦での商品名 エジャイモ®︎)

🔢関連コンテンツ

エジャイモ®︎点滴静注 1.1g

PMDA電子添文 (外部リンクへ遷移)

NEJM:寒冷凝集素症に対するsutimlimab

Alexander Röth et al. N Engl J Med. 2021.

寒冷凝集素症CADの診断からマネジメントまで (エジャイモ®発売)

2022/08/07 HOKUTO編集部


背景

慢性/難治性ITPは, 病態生理学的に不均一な稀な疾患であり, 現在利用可能な治療法に対する反応性は様々である. 画期的医薬品として位置づけられたヒト化抗C1s IgG4モノクローナル抗体であるスチムリマブは, 古典的経路を選択的に阻害する.

研究デザイン

  • 対象:2種類以上の治療で効果が不十分な慢性/難治性ITP患者:12名
年齢中央値42歳, 血小板数:30×10⁹/L以下
  • Part A:中央値20.5週間のスチムリマブ投与後, 中央値2週間のウォッシュアウト期間を設けた.
  • Part B:適格患者7名が中央値113週間のスチムリマブ再治療を受けた.

研究結果

  • Part Aでは, スチムリマブ投与開始24時間後に平均血小板数が25×10⁹/Lから54×10⁹/Lに増加し, Part A期間中は50×10⁹/L以上を維持した.
  • 平均血小板数は, ウォッシュアウト期間中にベースラインに戻り, Part Bの再投与により増加した.
  • 平均血小板数の改善は, 急速な古典的経路の阻害を伴っていた.
  • 治療上問題となる有害事象
  • Part A:74件 (10名)
  • Part B:70件 (6名)
  • 重篤な有害事象は5件で, そのうち1件 (片頭痛) はスチムリマブの投与と関連があると治験責任医師により評価された.

結論

一部のITP患者において自己抗体が古典的補体経路を活性化し, 血小板破壊を促進したり血小板産生を損なったりし, 治療失敗の一因となっていることを証明しています. C1sの阻害は, 慢性/難治性ITP患者にとって安全かつ有益な治療アプローチとなる可能性がある.


こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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