【JAMA Dermatol】劇症型リン脂質抗体症候群の半数に分枝状皮斑などの皮膚病変か
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2年前

【JAMA Dermatol】劇症型リン脂質抗体症候群の半数に分枝状皮斑などの皮膚病変か

【JAMA Dermatol】劇症型リン脂質抗体症候群の半数に分枝状皮斑などの皮膚病変か
Dupréらは、 フランスにおける抗リン脂質症候群 (APS) /全身性エリテマトーデス (SLE) 登録の後ろ向き解析を行い、 劇症型リン脂質抗体症候群 (CAPS) の臨床的・病理的特徴と転帰について検討した。 その結果、 CAPS患者の半数に皮膚病変が認められ、 遠位炎症性浮腫を含む幅広い臨床像が見られた。 本研究は、 JAMA Dermatol誌において発表された。

📘原著論文

Cutaneous Involvement in Catastrophic Antiphospholipid Syndrome in a Multicenter Cohort of 65 Patients.JAMA Dermatol. 2022 Dec 7.doi:10.1001/jamadermatol.2022.5221.PMID: 36477813

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

CAPSという大変珍しい対象群であることが重要ですが、 無理して仮説研究とせずにしっかりと記述しているところが素晴らしいです。 目的もwe aimed to describeと書かれています。


背景

劇症型リン脂質抗体症候群 (CAPS) は、 抗リン脂質抗体症候群 (APS) の重症かつ稀な合併症であるが、 皮膚病変についてはまだ十分にわかっていない。

研究デザイン

対象と方法

フランスで行われた多施設共同APS/SLEに登録された患者の後ろ向き解析。 CAPSの改訂版国際分類基準を満たす全ての患者を対象に、 皮膚症状を有する患者についてはより具体的に分析した。

主要評価項目

CAPS発症中に皮膚病変を認めた患者の臨床的、 病理的データ、 経過、 転帰を収集し、 皮膚病変を認めない登録患者と比較した。

研究結果

解析対象

CAPSを1回以上発症した120名のうち、 皮膚病変を認めた54% (65名) の患者が解析対象となった。

主な病変

  • 分枝状皮斑:45% (29/65名)
  • 壊死または潰瘍性病変:42% (27/65名)
  • 爪下線状出血斑:29% (19/65名)
  • 遠位炎症性浮腫 [熱感のある手足または顔の発赤]:23% (15/65名)
  • 血管性紫斑病:14% (9/65名)

皮膚毛細血管の微小血栓

CAPSエピソード発生時に行われた生検を検討した結果、 94% (15/16名) の患者で皮膚毛細血管の微小血栓が認められた。

病変の治癒率

これらの病変は90%強の患者 (58/64名) で後遺症なく治癒した。

CAPS診断率と死亡率の群間差

皮膚病変を有する患者は、 そうでない患者よりも組織学的検査でCAPSと診断される割合が高かった (37% vs. 24%、 P=0.16) が、 死亡率は両群間で有意差はなかった (5% vs. 9%、 P=0.47)。

結論

CAPS患者の半数に皮膚病変が認められ、 遠位炎症性浮腫を含む幅広い臨床像が見られた。 皮膚生検により、 1名を除くすべての患者で診断が確定された。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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