【J Headache Pain】抗CGRPモノクローナル抗体、 65歳以上の片頭痛患者で安全かつ有効
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【J Headache Pain】抗CGRPモノクローナル抗体、 65歳以上の片頭痛患者で安全かつ有効

【J Headache Pain】抗CGRPモノクローナル抗体、 65歳以上の片頭痛患者で安全かつ有効
Muñoz-Vendrellらは65歳以上の片頭痛患者を対象に、 抗CGRPモノクローナル抗体のエレヌマブ、 ガルカネズマブ、 フレマネズマブの安全性と有効性を観察実臨床研究で検討。 その結果、 抗CGRPモノクローナル抗体は、 実臨床における65歳以上の片頭痛患者において安全かつ有効な治療法であることが示された。 本研究はJ Headache Pain誌において発表された。 

📘原著論文

Effectiveness and safety of anti-CGRP monoclonal antibodies in patients over 65 years: a real-life multicentre analysis of 162 patients. J Headache Pain. 2023 Jun 2;24(1):63. PMID: 37268904

👨‍⚕️監修医師のコメント

Real world dataからの解析なのでEffectivenessという表現を使用しています。

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エレヌマブ

アイモビーグ皮下注70mgペン

ガルカネズマブ

エムガルティ皮下注120mgオートインジェクター
エムガルティ皮下注120mgシリンジ

フレマネズマブ

アジョビ皮下注225mgシリンジ
アジョビ皮下注225mgオートインジェクター

片頭痛の診断基準 (ICHD-3)

国際頭痛分類 第3版の診断基準

POUND スコア

片頭痛の診断予測

HIT-6 (Headache Impact Test-6)

頭痛の評価スケール

背景

抗CGRPモノクローナル抗体は、 片頭痛患者において顕著な有効性と忍容性を示している。 しかし、 臨床試験には暗黙の年齢制限があり、 実際のエビデンスが乏しいため、 高齢患者における使用に関するデータはまだ不足している。

研究デザイン

方法

スペインの18の異なる頭痛ユニットから前向きに収集されたデータを後ろ向きに解析

対象

65歳以上で抗CGRPモノクローナル抗体治療を受けた片頭痛患者:162例

介入

エレヌマブ、 ガルカネスマブ、 フレマネズマブの投与

主要評価項目

6カ月後の月間片頭痛日数の減少と副作用の有無

副次評価項目

3カ月目および6カ月目までの頭痛および薬物摂取頻度の減少、 奏効率、 患者報告アウトカムの変化、 中止理由

研究結果

主要評価項目

片頭痛日数の減少

  • 6カ月後の1カ月当たりの片頭痛日数の減少は10.1±7.3日であった。

副作用の有無

  • 患者の25.3%に副作用がみられたが、 いずれも軽度で、 血圧上昇は2例のみであった。

副次評価項目

頭痛と薬物摂取の頻度

  • 頭痛と薬物摂取の頻度は有意に減少した。

患者報告による転帰改善

  • 患者報告による転帰は改善した。

1カ月当たりの片頭痛日数減少別の患者割合

  • 30%以上:68%
  • 50%以上:57%
  • 75%以上:33%
  • 100%:9%

6カ月後の治療継続率

  • 6カ月後の治療継続率は72.8%であった。

薬剤間の差

  • 片頭痛日数の減少は異なる抗CGRP療法で同様であったが、 副作用はフレマネズマブ (7.7%) の方が少なかった。

結論

抗CGRPモノクローナル抗体は、 実臨床における65歳以上の片頭痛患者において安全かつ有効な治療法である。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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