海外ジャーナルクラブ
2年前
Camilleriらは、 便秘のパーキンソン病 (PD) 患者を対象に、 αシヌクレイン (αS) の凝集を阻害する経口薬ENT-01の有効性と安全性を検討する無作為化プラセボ対照第Ⅱb相試験 (KARMET試験) を実施。 その結果、 ENT-01は安全であり、 便秘を有意に改善した。 本研究は、 Ann Intern Med誌において発表された。
長期アウトカムは?という声もあるようですが、 十分な臨床効果を証明した研究と言えると思います。 他の神経疾患への応用に期待したいです。
PDは、 腸管ニューロン内のαSの凝集と関連している。 ENT-01は、 PD患者を対象とした非盲検試験において、 αS凝集体の形成を阻害し、 便秘を改善することが確認された。
PDと便秘を有する患者:150名。
ENT-01またはプラセボを最大25日間連日投与。
1週間当たりの完全自然排便回数 (CSBM)。
認知症 (MMSEを用いて評価) および精神病 (SAPS-PDを用いて評価)。
週間CSBM率 (P < 0.001)
自然排便の回数 (P=0.002)、 便の硬さ (P<0.001)、 スムーズな排便 (P=0.006)、 下剤の使用 (P=0.041) などが改善された。
MMSEスコアの変化
SAPS-PDスコアの変化
ENT-01の忍容性は良好で、 死亡例や薬剤に関連する重篤な有害事象は認められなかった。
有害事象は主に消化器系で、 嘔気、 下痢などが確認された。
ENT-01は安全であり、 便秘を有意に改善した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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