【Sci Rep】乳癌の診断から手術までが2週間以上延長すると生存率が有意に低下
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Sci Rep】乳癌の診断から手術までが2週間以上延長すると生存率が有意に低下

【Sci Rep】乳癌の診断から手術までが2週間以上延長すると生存率が有意に低下
Zhuらは、 乳癌患者を対象に、 診断から手術までの時間間隔と生存率の関連性をコホート研究で検討。 その結果、 診断から手術までの期間が2週間以上延長した患者は生存率が有意に低下することが明らかとなった。 本研究はSci Rep誌において発表された。

📘原著論文

Time interval between breast cancer diagnosis and surgery is associated with disease outcome. Sci Rep. 2023 Jul 26;13(1):12091. PMID: 37495705

👨‍⚕️監修医師のコメント

仮説の提唱であり、 冷静な対応が必要です。 特に他の癌を基準とした比較検討が必要です。 手術場に乳がん患者がどんどんと優先的に入っているようなことはreasonableとは思えません。

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乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

乳癌の診断から手術までの時間間隔は、 患者や臨床医にとって懸念事項であるが、 生存率への影響は不明なままである。

研究デザイン

対象

2009~17年に手術を受けた乳癌患者:5,130例

上海交通大学乳がんデータベースを基に同定
患者を瑞金病院コホートとSJTU (瑞金病院以外) コホートに分けた

介入

全参加者は診断から手術までの間隔により、 以下の群に割り付けられた。

  • 1週間以下群
  • 1~2週間群
  • 2週間以上群

研究結果

瑞金病院コホート各群の推定5年乳癌無再発生存率 (BCFI)

  • 1週間以下群:91.8%
  • 1~2週間群 :87.5%
  • 2週間以上群:84.0%
P=0.088

瑞金病院コホート各群の推定5年全生存率 (OS)

  • 1週間以下群:95.6%
  • 1~2週間群 :89.6%
  • 2週間以上群:89.6%
P=0.002

多変量解析の結果

多変量解析によると、 手術までの時間間隔が2週間以上の患者は、 1週間以下の患者と比較してBCFI (HR 1.80、 95%CI 1.05-3.11、 P=0.034) とOS (HR 2.07、 95%CI 1.04-4.13、 P=0.038) が有意に低かった。

全患者における各群の推定5年BCFI率

  • 1週間以下群:91.0%
  • 1~2週間群 :87.9%
  • 2週間以上群:78.9%

全患者における各群の推定5年OS率

  • 1週間以下群:95.8%
  • 1~2週間群 :90.6%
  • 2週間以上群:91.5%
いずれもP<0.001

結論

乳癌診断後の手術までの期間の延長 (2週間以上) が不良な疾患転帰と関連していることが示された。 生存率を改善するためには、 診断後早期に治療を開始する努力を可能な限り追求する必要があることを示唆している。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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