HOKUTO編集部
7ヶ月前

CAR-T細胞療法を契機に、 CD3標的二重特異性抗体を含むT細胞誘導療法の臨床応用が広がっている。 一方で、 特異な作用機序に起因する有害事象であるCRS (サイトカイン放出症候群) およびICANS (免疫エフェクター細胞関連神経毒性) への対応が重要となる。 2025年4月には、 DLL3・CD3二重特異性抗体タルラタマブが小細胞肺癌に対して承認され、 固形癌領域でも同様の管理が求められるようになった。 本稿では、 CRSおよびICANSの評価と対応の要点を簡潔にまとめ、 実臨床に役立つ情報を提供する (最終更新 : 2025年7月24日)。
CRSの重症度評価と対応は以下のとおり。 治療の基本は、 抗IL-6受容体抗体薬 (トシリズマブ)、 全身性ステロイド、 支持療法である。

免疫抑制療法に加え、 CRSの重症度に応じた全身管理を以下のとおり行う。 ICUへの転室時には、 集中治療医との密な連携が求められる。

神経毒性の評価は、 認知機能や運動麻痺を含めて1日2回以上行う。 Grade≧2では造影前後の脳MRI (困難な場合はCT) を実施し、 初期徴候があれば神経内科にコンサルトのうえ、 脳波検査でけいれん活動を評価する。
ICE (Immune Effector Cell–Associated Encephalopathy) スコアおよび重症度評価は以下のとおり。


ICANSの対応は、 重症度およびCRSの合併有無によって異なる。 いずれの場合も、 誤嚥を予防しつつ静脈内補液を行い、 中枢神経抑制作用をもつ薬剤の使用には注意が必要だが、 けいれんの予防・治療に必要な薬剤は例外とする。

導入初期は入院下で実施し、 忍容性を確認しながら外来移行を検討する。
重度のCRS発症に備え、 悪寒・呼吸困難・全身状態の急変などの出現時に迅速に対応できるよう、 自宅用としてデキサメタゾン8mgの内服薬を処方することも検討される。
NCCN Guidelines: Management of Immunotherapy-Related Toxicities, Version 1.2025.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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