海外ジャーナルクラブ
2年前
Yanagisawaらは、 筋層非浸潤性膀胱癌 (NMIBC) に対する化学的アブレーション (chemoablation) の治療成績をメタ解析で評価し、 安全性と有効性を検討。 その結果、 化学的アブレーションは十分に選択されたNMIBC患者に対する有望な治療法であり、 特に中リスクのNMIBCの一部の高齢患者において、 不必要なTURBTを回避するのに役立つ可能性があることが示唆された。 本研究は、 Eur Urol Focus誌において発表された。
MMC, BCG, EPI, GEMの4つのレジメンが含まれていることはlimitationと言えると思います。 また腫瘍なので長期アウトカムへの言及がないところはさらなる研究成果を期待したいですね。
膀胱内治療における切除術の効果は数十年前から知られている。 しかし、 NMIBCに対する化学的アブレーション (chemoablation) の臨床的実現性・有効性は認められていない。
マイトマイシンC (MMC)、 ゲムシタビン、 エピルビシン、 またはバシルスカルメットゲリン (BCG) を用いた化学療法を受けたNMIBC患者における完全奏効 (CR) 率および有害事象を調査する研究を、 2022年7月に複数のデータベースで照会。
1199名の患者を含む23件の研究
薬剤を毎週投与した患者における初回評価時の統合されたCR率
新しい化学焼灼療法のレジメンは、 十分に選択されたNMIBC患者においてより良いCR率を示した。
腫瘍の多発性に関係なく同等のCR率が認められたが、 腫瘍サイズ<5mmは≥5mmよりもCR率が高かった。
新規のMMC強化レジメンは、 標準治療よりも排尿障害と頻尿の発生率が低かった。
長期成績は不明だが、 化学的アブレーションは十分に選択されたNMIBC患者に対する有望な治療法であり、 特に中リスクのNMIBCの一部の高齢患者において、 不必要なTURBTを回避するのに役立つ可能性があるようである。 この忍容性の違いや長期的な抗がん作用を検討するためには、 さらに大規模なコホートによる詳細な研究が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。