海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Condoluciらは、 再発/難治性慢性リンパ性白血病患者を対象に、 イブルチニブとベネトクラクス併用療法 (IV併用療法) の「修正投与スケジュール」の有効性を、 単群非盲検第Ⅱ相試験で検討した。 その結果、 イブルチニブを用いた導入療法の期間延長と24ヵ月以上のIV併用療法により、 骨髄および末梢血における検出不能な微小残存病変を伴う複合的完全寛解率が向上することが示唆された。 試験結果はBlood誌に発表された。
結論には「静脈投与療法の期間を延ばすことで治療効果を高めるとともに、 休薬期間を確保することで耐性変異の獲得リスクを最小限に抑えることができる」 と記載されています。
イブルチニブとベネトクラクスの併用療法 (IV併用療法) は、 作用機序が相補的であることから、 慢性リンパ性白血病 (CLL) の治療で注目されている。
従来のIV併用療法研究では、 短期間のイブルチニブ初期投与後、 12ヵ月間ベネトクラクスを併用投与していた。 この試験の目的は、 修正投与スケジュールの有効性を評価することである。
再発/難治性CLL患者 (BTK阻害薬およびBCL2阻害薬未使用者) を対象に、 多施設単群非盲検第Ⅱ相試験 (SAKK34/17) を実施した。
腫瘍負担および腫瘍崩壊症候群 (TLS) リスクを軽減するためにイブルチニブ単剤投与期間を6ヵ月間に延長し、 検出不能な微小残存病変 (uMRD) 率を高めるために併用投与期間を最低24ヵ月に延長した。
主要評価項目は、 骨髄および末梢血におけるuMRDを伴う複合的完全寛解率。 副次評価項目は、 イブルチニブのリードイン投与後にTLS低リスク群であった患者の割合などであった。
intention-to-treat解析の対象とされた患者30例のうち、 40.0%がuMRDを伴う複合的完全寛解を達成し、 53.3%が骨髄および末梢血におけるuMRDを達成した。
イブルチニブによる導入療法後、 TLS低リスク群であった患者は57.1%であり、 イブルチニブの導入療法期間が長いとTLSリスクが低下することが示唆された。 31サイクル時点での無増悪生存率は89.9%であった。
著者らは 「この結果は、 IV併用療法の期間延長が有益であるという見方を後押しするものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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