海外ジャーナルクラブ
5日前

Garrigósらは、 HER2陽性早期乳癌患者を対象として、 術前療法としてトラスツズマブ+ペルツズマブ (HP) 療法実施後の病理学的完全奏効 (pCR) 達成の有無などに基づき、 術後療法としてHPまたは抗体薬物複合体トラスツズマブ エムタンシン (T-DM1) を投与する化学療法を用いないde-escalation戦略の有用性を、 多施設共同単群第Ⅱ相試験PHERGain-2で評価した。 その結果、 同戦略は臨床的に意義のある健康関連QOL (HRQoL) の維持、 想定内の安全性プロファイル、 および標準的な化学療法+HP療法に匹敵する良好なpCR率を示した。 本研究はAnn Oncol誌において発表された。
HER2 statusの中央判定やMRIによる腫瘍径評価を行っており、 患者選択の正確性や試験の内的妥当性向上に寄与しています。
HER2+早期乳癌の個別化治療 : 術前de-escalationは安全か?
HER2陽性早期乳癌患者を対象に、 pCR達成の有無などに基づく化学療法を用いないde-escalation戦略を評価する目的で、 多施設共同単群第Ⅱ相試験PHERGain-2が実施された。
中央判定でHER2陽性 (IHC 3+) と確認された未治療のリンパ節転移陰性早期乳癌 (MRIによる腫瘍径が5~30mm) を有する成人患者396例に対して、 術前療法としてHPを3週ごとに8サイクル投与した*。 ホルモン受容体 (HR) 陽性患者には内分泌療法も併用した。
手術後に、 pCR達成の有無などに基づき、 以下の10サイクルの術後療法が実施された。
共主要評価項目は、 European Organisation for Research and Treatment of Cancer Core Quality of Life questionnaire (EORTC-QLQ-C30) に基づく術前療法開始後1年時の健康関連QOL (HRQoL) 低下、 およびStandardized Definitions for Efficacy End Points (STEEP) に基づく3年無再発期間 (RFI) であった。 重要な副次評価項目は、 全体およびHR陽性・陰性別のpCR率、 安全性などであった。
術前療法を開始した396例のうち391例 (98.7%) が手術を受けた。 pCRは236例で達成され、 pCR率は59.6%であった。
手術後は病理学的奏効に基づき術後療法が選択された。 pCRを達成した236例はコホートAとしてHPを継続した。 残存浸潤性乳房腫瘍またはypN0(i+/mol+)、 ypN1miを認めた148例はコホートBとしてT-DM1へ移行し、 ypN1-3を認めた7例はコホートCとして、 任意の化学療法後にT-DM1を投与する方針とされた。
術前療法開始後1年時にHRQoLが10%以上低下した割合は、 HRQoL解析対象集団全体で42.8% (154/360例、 95%CI 36.9-48.8%) であった。 pCR達成例では37.3% (84/225例、 同30.1-44.9%)、 非pCR例では51.9% (70/135例、 同41.9-61.7%) であり、 pCRを達成せず術後T-DM1の対象となった患者でHRQoL低下の割合が高かった。
治療関連有害事象は86.6%に認められ、 Grade3以上は5.6%であった。 重篤な有害事象は6.1%に認められた。 T-DM1に起因すると判断された肺臓炎による死亡が1例 (0.3%) 報告された。
著者らは 「HER2陽性早期乳癌患者において、 pCR達成の有無などに基づき化学療法を用いないde-escalation戦略は、 臨床的に意義のあるHRQoLの維持、 HP/T-DM1療法で想定される安全性プロファイル、 および標準的な化学療法+HP療法に匹敵する良好なpCR率を示した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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