HOKUTO編集部
12ヶ月前
解説:赤松弘朗先生¹⁾ / 監修:津谷康大先生²⁾
EGFR遺伝子変異の中でもG719Xに代表されるUncommon変異は従来の第Ⅲ相試験から除外されているか、 含まれても少数であった。 また、 Common変異に比較して、 EGFR-TKIの有効性がやや劣る可能性が指摘されていた。
欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)において、 アファチニブとプラチナ+ペメトレキセドを比較した第Ⅲ相試験 (ACHILESS) が日本から報告され、 アファチニブ群における無増悪生存期間 (PFS) の優越性が示された (中央値10.6 vs 5.7ヵ月) ¹⁾。 全奏効率 (ORR) は有意差はないものの、 アファチニブ群で高かった (61 vs 47%)。
Common変異で標準的に用いられるオシメルチニブは、 韓国から前向き研究の結果が報告されており、 ORR 50%・無増悪生存期間中央値 (mPFS) 8.2ヵ月であった。 37例と少数の単群第II相試験ではあるが、 アファチニブより毒性が軽く治療選択肢にはなると考える²⁾。
以上より、 2 (症例によって3)
Uncommon mutationに対する化学療法、 EGFR-TKIの効果に関するデータは少なく、 これまでは化学療法が標準治療とされていたが、 ACHILESS試験において、 アファチニブはPFSにおいてプラチナ+ペメトレキセドよりも優れていることが報告された。
オシメルチニブにおいても、 先述の報告に加え、 単群第II相試験においてmPFS 10.5ヵ月という報告³⁾もあり、 G719Xなどのsensitizing uncommon mutationには一定の効果が期待される。
以上から、 エビデンスとしては2が優先、 3も考慮されると考える。
【ACHILLES/TORG1834】sensitizing uncommon EGFR陽性未治療NSCLCでアファチニブが著効
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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