神奈川県内科医学会
2ヶ月前
治療薬進歩によりウイルス性肝炎も根治が期待できる時代となりました。 一方、無症状であることから肝炎ウイルスキャリアであることに無自覚であったり、 受診しない患者が多いのが現状です。 そこで介入の窓口となることが多い非専門医が、 容易に肝疾患を抽出できる方法の開発が求められてきました。 今回は新たに"数値記入Flowchart版"としてWeb公開された神奈川県内科医会の「肝疾患簡易抽出シート」をご紹介します。 ぜひご活用下さい。
2023年6月15日、 日本肝臓学会は 「奈良宣言2023」 を発表しています。この宣言は 肝機能検査としてALT値が30 IU/Lを超えたら (ALT over 30)、プライマリケア医を受診して原因を調べ、 必要があれば肝臓専門医・専門医療機関で精密検査を受けることを国民に呼び掛けるものとしています。 今後、 プライマリケア医では、 ALT over 30への対応が増え、 ある程度の原因疾患の抽出なしにALT over 30だけで専門医療機関に紹介することは、 オーバートリアージになり、 却って専門医療機関の負担に繋がります。 神奈川県内科医学会 : 肝・消化器疾患対策委員会では、2014年より 「肝疾患抽出簡易検査シート」 を作成し発信していますが、 今回、 新たに計算式を導入し数値導入flowchartを作成しました。
本シートは、 プライマリケア医が肝機能障害症例の診療において、 保険診療内・できる限り少ない検査項目で肝障害の原因を適切に同定し、 専門医に紹介すべき症例を抽出できるように試みたシートです。
(1) 紹介過剰またはオーバートリアージにならないように (2) 肝障害例において、 ひとりでも多くの患者が適切に対応されますように
以上、 願いを込めて作成しました。 ぜひ、 日常診療にお役立て頂けましたら幸いです。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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