海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Eerkensらは、 HPV16型陽性の子宮頸部上皮内腫瘍高度異形成 (CIN3) の診断を受けた患者を対象に、 HPV治療用ワクチンVvax001の有効性と安全性を第II相試験で検証した。 その結果、 病変の縮小およびHPV16クリアランス効果が認められ、 重篤な有害事象も認められなかった。 この研究はClin Cancer Res誌に発表された。
安全性が担保されているようですので、 今後長期アウトカムを含めて有効性の研究成果が期待されます。
Vvax001は、 HPV16のE6およびE7をコードする複製不能セムリキフォレストウイルス (SFV) ベースのワクチンであり、 強力な抗原特異的T細胞応答を誘導することが既に報告されている。
本試験では、 HPV16型陽性CIN3患者におけるVvax001の臨床効果と安全性が評価された。
新たにHPV16型陽性CIN3の診断を受けた患者18例を対象に、 Vvax001 (5×10⁷感染性粒子) を3週間間隔で3回投与した。
最後のワクチン投与から19週まで、 コルポスコピーガイド下生検によりCIN3の退縮を観察し、 最終診察時にCIN2/3が残存している場合にのみ標準治療のループ式電気円錐切除を施行した。
主な評価項目は、 病理組織学的奏効率、 HPV16クリアランス率、 治療関連有害事象、 ワクチン誘発免疫応答などであった。
18例全例がワクチン接種を完了し、 このうち17例 (94%) に、 最後のワクチン接種後3週以内にCIN3病変の縮小が認められた。
CIN1への退縮または異形成なしと定義した病理組織学的完全奏効率は50% (9/18例)、 HPV16クリアランス率は63% (10/16例) だった。
再発は確認されず、 無病生存期間中央値は20ヵ月、 最長値は30ヵ月で、 重篤な有害事象も認められなかった。
著者らは 「Vvax001は、 HPV16型陽性のCIN3患者に安全に投与することができ、 病変縮小やHPV16クリアランスの臨床効果が示された」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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