海外ジャーナルクラブ
2年前
Behroozianらは、 乳腺腫瘤摘出術または乳房切除術を受けた乳癌患者を対象に、 ソフトシリコン・フィルム保護材のメピテルフィルム (MF) による急性放射線皮膚炎(RD)の予防効果を第Ⅲ相ランダム化比較試験で検討。 その結果、 MFは乳房放射線治療を受けている患者のRDを有意に減少させることが明らかとなった。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
2:1の患者割り付けですが、 これだけの極端な差がある研究に400例近くの患者さんを参加させるのであれば、 adaptive designなどで早期に終了できると良かったと結果論ですが思います。
RDは乳房放射線治療を受けている患者によく見られる。 MFはRDを軽減することができるが、 2件のランダム化比較試験の結果は相反するものである。
乳腺腫瘤摘出術後または乳房切除術を受けた乳癌患者
患者を以下の群に2:1の割合でランダムに割り付け。
CTCAE ver.5.0を使用したグレード2または3のRD
患者および臨床医の報告によるアウトカム
標準治療と比較してMF患者の方が有意に低かった。
グレード3のRDおよび湿潤落屑に達した患者においてもMFは引き続き有効であった。
グレード3のRD
湿潤落屑
患者と医療従事者のRadiation-Induced Skin Reaction Assessment Scale (RISRAS) の合計スコアを評価すると、 MF群の方が有意に低いスコアであり (P<0.0001)、 個々の項目についても、 MFの方が優勢であった。
水疱・剥離、 紅斑、 色素沈着、 浮腫は、 MF群の方が有意に少なかった。
発疹 (2例) および過度のそう痒症 (1例) のため、 3例がMFを早期に除去した。
MFは乳房放射線治療を受けている患者のRDを有意に減少させる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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