【J Clin Oncol】乳癌の急性放射線皮膚炎にメピテルフィルムが有効
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【J Clin Oncol】乳癌の急性放射線皮膚炎にメピテルフィルムが有効

【J Clin Oncol】乳癌の急性放射線皮膚炎にメピテルフィルムが有効
Behroozianらは、 乳腺腫瘤摘出術または乳房切除術を受けた乳癌患者を対象に、 ソフトシリコン・フィルム保護材のメピテルフィルム (MF) による急性放射線皮膚炎(RD)の予防効果を第Ⅲ相ランダム化比較試験で検討。 その結果、 MFは乳房放射線治療を受けている患者のRDを有意に減少させることが明らかとなった。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Mepitel Film for the Prevention of Acute Radiation Dermatitis in Breast Cancer: A Randomized Multicenter Open-Label Phase III Trial. J Clin Oncol. 2023 Feb 20;41(6):1250-1264.PMID: 36493331

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

2:1の患者割り付けですが、 これだけの極端な差がある研究に400例近くの患者さんを参加させるのであれば、 adaptive designなどで早期に終了できると良かったと結果論ですが思います。

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乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

RDは乳房放射線治療を受けている患者によく見られる。 MFはRDを軽減することができるが、 2件のランダム化比較試験の結果は相反するものである。

研究デザイン

対象

乳腺腫瘤摘出術後または乳房切除術を受けた乳癌患者

介入

患者を以下の群に2:1の割合でランダムに割り付け。

  • MF群
  • 標準治療群

主要評価項目

CTCAE ver.5.0を使用したグレード2または3のRD

副次評価項目

患者および臨床医の報告によるアウトカム

研究結果

グレード2のRDの発生率

標準治療と比較してMF患者の方が有意に低かった。

  • MF群:15.5%、 95%CI 11.3-20.6
  • 標準治療群:45.6%、 95%CI 36.7-54.8%
  • OR : 0.20、 P<0.0001

グレード3のRD の発生率

グレード3のRDおよび湿潤落屑に達した患者においてもMFは引き続き有効であった。

グレード3のRD

  • MF群:2.8%(95%CI 1.1-5.7%)
  • 標準治療群:13.6%(同 8.1-20.9%)
  • OR:0.19

湿潤落屑

  • MF群:8.0%(95%CI 4.9-12.0%)
  • 標準治療群:19.2%(同 12.7-27.1%)
  • OR:0.36

RISRASの評価

患者と医療従事者のRadiation-Induced Skin Reaction Assessment Scale (RISRAS) の合計スコアを評価すると、 MF群の方が有意に低いスコアであり (P<0.0001)、 個々の項目についても、 MFの方が優勢であった。

水疱・剥離、 紅斑、 色素沈着、 浮腫の減少

水疱・剥離、 紅斑、 色素沈着、 浮腫は、 MF群の方が有意に少なかった。

安全性評価

発疹 (2例) および過度のそう痒症 (1例) のため、 3例がMFを早期に除去した。

結論

MFは乳房放射線治療を受けている患者のRDを有意に減少させる。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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