海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Stewart氏らは、 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 外来患者における高用量フルボキサミン投与による症状期間の短縮効果について、 二重盲検プラセボ対照プラットフォーム無作為化比較試験ACTIV-6を用いて検討した。 結果として、 フルボキサミン投与による症状期間の短縮効果は認められなかった。 本研究はJAMA誌において発表された。
高用量SSRIがCOVID-19に有効かどうか、 大変興味深い研究です。 結果はnegativeですが、 やはり観察研究とRCTは車の両輪であり、 両方を進めていくことが医学の発展に貢献できると確信できるような素晴らしい研究成果です。
軽症~中等症COVID-19外来患者に対し、 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI) フルボキサミンの高用量投与による治療効果は依然として不明である。
COVID-19感染確認後、 7日以内に2つ以上の急性症状を有した30歳以上の外来患者 : 1,208例
患者を1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
持続的回復までの期間
28日以内の死亡、 入院または死亡、 入院・救急外来または救急診療部受診・死亡の複合、 COVID-19臨床進行スケールスコア、 平均不調時間の差など
持続的回復期間の中央値は両群とも10日 (95%CI 10-11日) であり、 フルボキサミン群とプラセボ群の持続的回復期間に差は認められなかった。
HR 0.99 (95%CI 0.89-1.09)、 有効性p=0.40
死亡例
なし
入院
入院・救急外来/救急診療部受診数
HR 0.69 (95%CI 0.27-1.21)、 有効性p=0.86
重篤な有害事象は、 6例 (フルボキサミン群2例、 プラセボ群4例) で計7件報告された。
軽症~中等症のCOVID-19外来患者において、 高用量フルボキサミンによる治療を行っても、 COVID-19による急性症状の持続期間を短縮する効果は示されなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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