【BMJ】tislelizumabの上乗せで進行胃・食道胃接合部腺癌1次治療のOS改善
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海外ジャーナルクラブ

4ヶ月前

【BMJ】tislelizumabの上乗せで進行胃・食道胃接合部腺癌1次治療のOS改善

【BMJ】tislelizumabの上乗せで進行胃・食道胃接合部腺癌1次治療のOS改善
Qiuらは、 進行胃・食道胃接合部腺癌の患者を対象に、 1次治療としての化学療法へのtislelizumabの上乗せの有効性および安全性について第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験 (RATIONALE-305) で検討した。 その結果、 tislelizumabの上乗せによって全生存期間 (OS) が有意に延長した。 本研究はBMJで発表された。 

📘原著論文

Tislelizumab plus chemotherapy versus placebo plus chemotherapy as first line treatment for advanced gastric or gastro-oesophageal junction adenocarcinoma: RATIONALE-305 randomised, double blind, phase 3 trial. BMJ. 2024 May 28:385:e078876. PMID: 38806195

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

BMJでRCT、 やや珍しい感があります。 BMJはPeer reviewをクリックすると査読過程が全て公表されているのが特徴です。 査読者3名の名前もオープンになっており、 今回は日本人の先生のお名前も査読者にあります。

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化学療法へのtislelizumabの上乗せの有効性は?

進行胃・食道胃接合部腺癌に対する1次治療として、 「化学療法+tislelizumab」 の有効性および安全性について 「化学療法+プラセボ」 と比較検討することであった。

進行HER2陰性胃・食道胃接合部腺癌の1次治療でOSを評価

対象

全身療法を受けていない、 18歳以上の局所進行切除不能または転移性のHER2陰性胃・食道胃接合部腺癌患者1,657例を対象とした。 なお、 PD-L1の発現の有無は問わなかった。

方法

第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験。 2018年12月13日~2023年2月28日に、 アジア、 欧州、 北米の医療機関146施設で実施した。

被験者を以下のいずれかの群に1 : 1で無作為に割り付け*、 病勢進行または許容できない毒性がみられるまで治療を継続した。

*地域、 PD-L1の発現、 腹膜転移の有無、 医師が選択した化学療法で層別化した。

- Tislelizumab+化学療法群 : 501例

化学療法 (医師の選択でオキサリプラチン+カペシタビン、 またはシスプラチン+5-FU) にtislelizumab (200mgを3週間ごとに静脈内投与) を併用

- プラセボ+化学療法群 : 496例

評価項目

PD-L1 tumour area positivity (TAP) スコアが5%以上の患者ならびに無作為化された全患者を対象にOSを評価した。

また、 治験の治療を少なくとも1回受けた患者を対象に安全性も評価した。

PD-L1 TAPスコア5%以上の患者、 全患者の両方でOS延長

OS中央値

PD-L1 TAPスコアが5%以上の患者集団

Tislelizumab+化学療法群では17.2ヵ月と、 プラセボ+化学療法群における12.6ヵ月に比べて有意に延長した。

HR 0.74 (95%CI 0.59-0.94)、 p=0.006、 中間解析

無作為化した全患者集団

Tislelizumab+化学療法群では15.0ヵ月と、 プラセボ+化学療法群における12.9ヵ月に比べて有意に延長した。

HR 0.80 (95%CI 0.70-0.92)、 p=0.001、 最終解析

安全性

治療に関連したグレード3以上の有害事象の発現率は、 tislelizumab+化学療法群では54% (268/498例)、 プラセボ+化学療法群では50% (246/494例) であった。

いずれの患者集団でもOSを改善

著者らは 「進行性または転移性の胃・食道胃接合部腺癌の1次治療としての化学療法へのtislelizumabの上乗せは、 PD-L1 TAPスコアが5%以上の患者および無作為化された全患者において、 プラセボ+化学療法よりOSを改善した」 と結論付けている。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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