インタビュー
12ヶ月前
秋田大学医学部附属病院の専攻医・猿田里音先生は、 同病院での初期研修中に妊娠・出産を経験し、 2023年夏に救急科へ入局しました。 「ライフステージの変化があっても無理なく研修を続けられた」 という猿田先生に、 研修プログラムの特徴について聞きました。
同病院は34の診療科があり、 秋田県内唯一の特定機能病院として3次救急を担っている。 ドクターカーやドクターヘリ、 年間2,500件を超える救急車を受け入れています。
――研修プログラムの魅力は。
猿田先生 「自分で研修内容や研修する協力病院を選んで、 自由にプログラムを組めることです。 私は元々、 研修先を大学病院にするか市中病院にするかぎりぎりまで悩んでいました。 秋田大では外部の病院で最大12ヵ月間の研修を受けられます。 大学病院と市中病院、 どちらも経験できるため、 秋田大を研修先に選びました」
「秋田大では救急診療やICUを深く学び、 軽症例から重症例まで経験できました。 市中病院では主治医として患者さんを担当し、 手術や検査の手技を多く経験できました。 秋田県内のほとんどの病院が協力病院で、 東京医科歯科大などでの研修も可能です。 たすきがけの縛りが少なく、 自分が深めたい分野に強い病院を自由に選べます」
――救急研修にも力を入れている。
猿田先生 「2021年に高度救命救急センターが設置され、 ドクターカーやドクターヘリの出動要請も増えています。 研修では当直が月3回、日直が月1回あり、 ICUや救急搬送などで救急対応を存分に経験できます」
「当直は必ず救急科の先生と一緒に入り、 患者さんに必要な検査やアセスメントをその場で相談できます。 どんな科に進んでも救急対応は求められるため、 専門的な視点を持って初期対応を学べる点は大きな魅力です」
――設備の特徴は。
猿田先生 「院内にある国内有数のシミュレーションセンターで、 ACLSなどの蘇生対応や急変対応、 心肺停止患者への対応などを実践的に学べます。 エコーや手術で使う機器のシミュレーターもあり、 空いた時間に気管支鏡検査などの自己研鑽に励んでいました」
――研修中に妊娠・出産を経験している。
猿田先生 「研修期間を5ヵ月延長したり、 プログラムを変えたりしてもらいました。 マタニティー白衣やスクラブがあるほか、 体調が悪くなった際に休める個室もあります。 ライフステージの変化に伴って研修や業務の継続が難しいこともあると思いますが、 秋田大は女性医師が仕事を継続しやすい環境が整っています」
「別論点にはなりますが、 給料が安いイメージがある大学病院ですが、 秋田大は全国の大学病院の中でトップクラスの給与水準の高さです」
――医学生にメッセージを。
猿田先生 「秋田大は救急医療に強く、 大学病院と市中病院の良いところを両方経験できます。 救急をしっかりと学びたい人はもちろん、 研修先を一つに絞り切れていない人にも検討してほしいです」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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