【Breast Cancer】ER陽性/HER2陽性乳癌、 PR陽性vs陰性で予後に差
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海外ジャーナルクラブ

3ヶ月前

【Breast Cancer】ER陽性/HER2陽性乳癌、 PR陽性vs陰性で予後に差

【Breast Cancer】ER陽性/HER2陽性乳癌、 PR陽性vs陰性で予後に差
Wu Ding氏らは、 エストロゲン受容体 (ER) 陽性、 プロゲステロン受容体 (PR) 陽性、 HER2陽性 (ER+/PR+/HER2+) 乳癌およびER+/PR-/HER2+乳癌間における臨床病理学的特徴および生存転帰を調査した。 その結果、 これらのサブタイプ間で臨床病理学的特徴および生存転帰は異なり、 ER+/PR+/HER2+乳癌は、 特に閉経後およびpN0の患者においてより良好な予後を示したことが明らかとなった。 本研究はBreast Cancer誌において発表された。

📘原著論文

Clinicopathological differences and survival benefit in ER+/PR+/HER2+ vs ER+/PR-/HER2+ breast cancer subtypes. Breast Cancer. 2024 Jan 17. PMID: 38231460

👨‍⚕監修医師のコメント

本研究では上海と米国(SEER)の2つのデータベースを使用しています。 SEERは1973年から米国の癌の罹患率や生存率、 死亡率等、 癌に関する統計データを収集して米国人口の約26パーセントをカバーしています。 300万人以上の癌患者の腫瘍診断や治療法に関する情報も閲覧することも可能です。

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研究の背景

HER2陽性乳癌の治療成果は、 抗HER2標的療法によって向上している。 しかし、 ホルモン受容体 (HR) 陽性の患者では、 HRとHER2間のシグナル伝達経路のクロストークにより治療効果が減弱する可能性がある。

研究デザイン

対象

Shanghai Jiao Tong University Breast Cancer Data BaseとSEER (Surveillance、 Epidemiology、 and End Results) データベースから収集したER+/PR+/HER2+とER+/PR-/HER2+乳癌患者

介入

傾向スコア調整法を用いて患者特性のバランスを調整

主要評価項目

無病生存期間 (DFS)、 乳癌特異的生存期間 (BCSS)、 全生存期間 (OS)

サブグループ解析

多変量モデルを使用して閉経状態、 病理学的分類 (pN)、 抗HER2療法および内分泌療法の有無についてサブグループ解析

研究結果

DFS/BCSS

ER+/PR+/HER2+乳癌患者はER+/PR-/HER2+乳癌患者に比べ、 特に閉経後およびpN0の患者でDFSおよびBCSSが有意に良好であった。

予後

  • 抗HER2療法および内分泌療法後の生存転帰は、 両サブタイプで同様であった。
  • 選択的エストロゲン受容体モジュレーター (SERM) 治療を受けたER+/PR-/HER2+乳癌患者は、 ER+/PR+/HER2+乳癌患者と比較して予後が有意に不良であった。

結論

HRの状態が異なるHER2陽性乳癌は、 臨床病理学的特徴および生存転帰が異なる。 特に閉経後およびpN0の患者におけるER+/PR+/HER2+群の生存率はより良好であった。 これらの結果は、 HRの状態と特定の方法を考慮した個別化された治療戦略の必要性を強調している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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