海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前
Tournilhacらは、 末梢性T細胞リンパ腫 (PTCL) 患者における自家造血幹細胞移植 (auto SCT) と同種造血幹細胞移植 (allo SCT) の有効性を第Ⅲ相無作為化比較試験AATTにおいて検討した。 その結果、 allo SCTが再発および進行の抑制において優れた効果を示し、 長期的な移植片対リンパ腫効果が確認された。 本研究は、 J Clin Oncol誌にて発表された。
フォローアップ期間が7年と長いものの、 サンプルサイズが小さく、 統計的に有意な結論を導きにくい点はlimitationと言えます。
PIT (Prognostic Index for PTCL-U)
PTCLは予後不良の疾患であり、 有効な治療法の開発が遅れている。
本研究は、 再発・難治性PTCL患者において、 同種移植の治療効果を検証し、 移植適格な若年患者に適した移植方法を明らかにすることを目的とした。
対象はPTCLの若年患者であり、 以下の群に無作為に割り付けられた。
主要評価項目は無イベント生存期間 (EFS)、 全生存期間 (OS) とされた。
7年EFSはallo SCT群で38% (95%CI 25-52%)、 auto SCT群で34% (同22-47%)、 7年OSはallo SCT群で55% (同41-69%)、 auto SCT群で61% (同47-74%) であり、 両群間でほぼ同程度であった。
累積進行/再発率はallo SCT群で8% (95%CI 0-19)、 auto SCT群で55% (同35-74) であった。
一方、 非再発死亡率 (NRM) はallo SCT群で31% (95%CI 13-49)、 auto SCT群で3% (同0-8) であった。
早期進行患者の15/30例、 auto SCT後の進行/再発患者の11/20例がallo SCTを受けた。
サルベージallo SCT後の7年OSは61% (95%CI 47-74%) であり、 NRMは23% (同6-40%) であった。
著者らは 「長期の追跡により、 allo SCTの強力な移植片対リンパ腫効果が証明された。 allo SCTは、 若年で移植適格の再発/難治性 PTCL 患者に選択される治療法である。 allo SCTは現在、 1次強化療法の一部としては推奨されていない」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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