海外ジャーナルクラブ
1年前
Krouseらは、 悪性腸閉塞患者を対象に、 外科的治療と非外科的治療の比較を目的として無作為化比較試験の要素を含むハイブリッドデザインの臨床試験を実施。 その結果、 外科的治療を受けたかどうかで、 91日時点での退院後生存期間に有意な差はなかった。 本研究はLancet Gastroenterol Hepatol誌において発表された。
本研究成果はLancet特有のImplications of all the available evidenceにThis could be practice-changing for many surgeons.とあるように外科医にとって内科治療を選択する大きな根拠となります。
悪性腸閉塞は進行した腹腔内腫瘍の患者、 特に卵巣癌や大腸癌において頻発する。 予後不良であり、 多くの関連症状を伴うが、 最適な治療法の選択は困難であった。
進行した腹腔内腫瘍や後腹膜原発癌が確認された18歳以上の悪性腸閉塞患者
同意患者を以下の群に1:1の割合で割り付けた
非同意患者150例は、 患者希望の治療を受けた
試験開始から91日時点での退院後生存期間
試験開始から91日時点での退院後生存期間において、 手術群と非手術群の間に有意な差は認められなかった。
無作為に割り付けられたグループ
患者希望による治療をうけたグループ
初回入院中に6例が死亡し、 うち5例が癌の進行により死亡した。
残りの1例は悪性腸閉塞の治療合併症によるものであった。
グレード3~4の悪性腸閉塞治療合併症で最も多かったのは貧血であった。
無作為群:3例 (6%)
患者希望治療群:3% (5例)
患者が外科的治療アプローチを受けたか非外科的治療アプローチを受けたかは、 91日時点での退院後生存期間に影響しなかった。 これらの知見は、 悪性腸閉塞患者の治療決定に有益な情報となり得る。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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