海外ジャーナルクラブ
2年前
Langらは, 早期パーキンソン病患者を対象に, αシヌクレインに結合するヒト由来のモノクローナル抗体 「シンパネマブ」 の有効性を多施設共同二重盲検第Ⅱ相試験で検討. その結果, シンパネマブの効果はプラセボと差がないことが明らかとなった. 本研究は, NEJM誌において発表された.
モノクローナル抗体治療が臨床効果を示す研究成果が各領域で散見される中, negative resultは残念ですが, きちんとNEJMに掲載されることは研究者にとってのモチベーションになると思います. より早期の薬剤の投与や別の投与方法 (経路) など, negative resultなので原点に帰って考えさせられる研究です.
凝集α-シヌクレインは, パーキンソン病の病態に重要な役割を担っている. シンパネマブは, α-シヌクレインに結合するヒト由来のモノクローナル抗体で, パーキンソン病の疾患修飾治療薬として評価されてきた.
早期パーキンソン病患者を, 2:1:2:2の割合でランダムに割り付け.
各群ともに4週間毎に静脈内投与し,その後最大112週間まで有効期間延長の用量差試験を実施.
72週目の中間解析で有効性が確認されなかったため, 試験は中止された.
早期パーキンソン病患者におけるシンパネマブの効果は, 疾患進行の臨床的指標およびDaT-SPECTイメージングの変化の点において, プラセボと差がなかった.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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