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33日前

【NEJM】早期パーキンソン病患者へのシンパネマブ投与、プラセボと有意差なし


Langらは, 早期パーキンソン病患者を対象に, αシヌクレインに結合するヒト由来のモノクローナル抗体 「シンパネマブ」 の有効性を多施設共同二重盲検第Ⅱ相試験で検討. その結果, シンパネマブの効果はプラセボと差がないことが明らかとなった. 本研究は, NEJM誌において発表された. 

📘原著論文

Lang AE, et al, Trial of Cinpanemab in Early Parkinson's Disease. N Engl J Med. 2022 Aug 4;387(5):408-420.PMID: 35921450

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

モノクローナル抗体治療が臨床効果を示す研究成果が各領域で散見される中, negative resultは残念ですが, きちんとNEJMに掲載されることは研究者にとってのモチベーションになると思います. より早期の薬剤の投与や別の投与方法 (経路) など, negative resultなので原点に帰って考えさせられる研究です.



研究背景

凝集α-シヌクレインは, パーキンソン病の病態に重要な役割を担っている. シンパネマブは, α-シヌクレインに結合するヒト由来のモノクローナル抗体で, パーキンソン病の疾患修飾治療薬として評価されてきた.

研究デザイン

早期パーキンソン病患者を, 2:1:2:2の割合でランダムに割り付け. 
  • プラセボ群:100名
  • シンパネマブ250mg投与群:55名
  • シンパネマブ1,250mg投与群:102名
  • シンパネマブ3,500mg投与群:100名

各群ともに4週間毎に静脈内投与し,その後最大112週間まで有効期間延長の用量差試験を実施.

評価項目

  • 主要評価項目:52週目および72週目におけるMDS-UPDRSの合計スコアのベースラインからの変化.
  • 副次評価項目:MDS-UPDRSサブスケール・スコアとDaT-SPECTで評価した線条体結合度.

研究結果

有効性評価

72週目の中間解析で有効性が確認されなかったため, 試験は中止された. 
  • 52週目までのMDS-UPDRSスコアの変化は, プラセボ群10.8点, 250mg群10.5点, 1,250mg群11.3点, 3,500mg群10.9点であった.
  • 対照群との調整後平均差は, それぞれ-0.3ポイント, 0.5ポイント, 0.1ポイント.
  • 72週までシンパネマブを投与された参加者と52週時点でシンパネマブを開始した群の72週時点での調整済み平均差は, 250mg投与で-0.9ポイント (95%CI -5.6-3.8) , 1,250mg投与で0.6ポイント (95%CI -3.3-4.4) , 3,500mg投与で-0.8ポイント (95%CI -4.6-3.0) であった.
  • 副次評価項目の結果は, 主要評価項目の結果と同様であった.
  • 52週目のDaT-SPECT画像では, 対照群とどのシンパネマブ群との間に差はなかった.

安全性評価

  • 最も一般的な有害事象は, 頭痛, 鼻咽頭炎, 転倒であった.

結論

早期パーキンソン病患者におけるシンパネマブの効果は, 疾患進行の臨床的指標およびDaT-SPECTイメージングの変化の点において, プラセボと差がなかった.



こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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