HOKUTO編集部
1ヶ月前
未治療でEGFR遺伝子変異陽性の局所進行/転移性NSCLCにおけるEGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブ+第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ラゼルチニブ併用療法の有効性および安全性について、 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬オシメルチニブ単剤療法を対照に検討した第Ⅲ相国際共同無作為化比較試験MARIPOSAの長期解析の結果から、 OSおよびPFS2の改善傾向が示された。 米・Henry Ford Cancer Institute/Henry Ford HealthのShirish M Gadgeel氏が発表した。
ESMO 2023では、 追跡期間中央値22.0ヵ月におけるMARIPOSA試験の解析結果から、 アミバンタマブ+ラゼルチニブ (ami+laz) 併用療法はオシメルチニブ (osi) 単剤療法と比較し、 無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善させ、 全生存期間 (OS) においても有望だったことが報告されている¹⁾。
この結果を受けて、 現在ami+laz併用療法は、 EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCの1次治療として米食品医薬品局 (FDA) に承認されている。 今回、 同試験の長期追跡結果が報告された。
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今回の発表では、 追跡期間中央値31.1ヵ月における、 頭蓋内PFS (icPFS)、 頭蓋内奏効期間 (icDoR)、 頭蓋内奏効率 (icORR)、 治療中止までの期間 (TTD)、 後治療開始までの期間 (TTST)、 後治療開始後のPFS (PFS2*)、 OSの長期追跡結果が報告された。
ami+laz群はosi群に比べて2倍の3年icPFS率を示し、 より高い頭蓋内奏効持続性が認められた。
icPFS中央値
HR 0.82 (95%CI 0.62-1.09)
名目上のp=0.165
icPFS率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)
icDoR中央値
icDoR率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)
icORR率
ami+laz群はosi群に比べ、 3年後の治療継続率が高かった。
TTD中央値
HR 0.80 (95%CI 0.68-0.96)
名目上のp=0.014
TTD率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)
後治療開始までの期間は、 ami+laz群がosi群に比べて長い傾向にあった。
TTST中央値
HR 0.77 (95%CI 0.65-0.93)
名目上のp=0.005
TTST率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)
後治療を受けた患者の割合はami+laz群が72%、 osi群が74%と、 両群で同程度であった。 治療中止に至った患者の2次治療では、 化学療法を受けた割合が両群ともに最も多かった。
ami+laz群は2回目の病勢進行または死亡リスクを27%低減し、 良好な傾向だった。
PFS2中央値
HR 0.73 (95%CI 0.59-0.91)
名目上のp=0.004
PFS2率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)
OSはami+laz群で改善傾向が認められた。
OS中央値
HR 0.77 (95%CI 0.61-0.96)
名目上のp=0.019
OS率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)
Gadgeel氏は 「追跡期間を延長しても、 EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCの1次治療において、 ami+laz併用療法はオシメルチニブと比較して有望な結果を示した。 本試験の結果から、 同併用療法はEGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCに対する1次標準治療であることが再確認された」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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