【MARIPOSA】アミバンタマブ+ラゼルチニブ、 PFS2・OS含む長期成績も良好
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HOKUTO編集部

6日前

【MARIPOSA】アミバンタマブ+ラゼルチニブ、 PFS2・OS含む長期成績も良好

【MARIPOSA】アミバンタマブ+ラゼルチニブ、 PFS2・OS含む長期成績も良好
未治療でEGFR遺伝子変異陽性の局所進行/転移性NSCLCにおけるEGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブ+第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ラゼルチニブ併用療法の有効性および安全性について、 第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬オシメルチニブ単剤療法を対照に検討した第Ⅲ相国際共同無作為化比較試験MARIPOSAの長期解析の結果から、 OSおよびPFS2の改善傾向が示された。 米・Henry Ford Cancer Institute/Henry Ford HealthのShirish M Gadgeel氏が発表した。

背景

既報の解析結果から、 アミバンタマブ+ラゼルチニブは既にFDA承認

ESMO 2023では、 追跡期間中央値22.0ヵ月におけるMARIPOSA試験の解析結果から、 アミバンタマブ+ラゼルチニブ (ami+laz) 併用療法はオシメルチニブ (osi) 単剤療法と比較し、 無増悪生存期間 (PFS) を有意に改善させ、 全生存期間 (OS) においても有望だったことが報告されている¹⁾。

この結果を受けて、 現在ami+laz併用療法は、 EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCの1次治療として米食品医薬品局 (FDA) に承認されている。 今回、 同試験の長期追跡結果が報告された。

▼MARIPOSA試験の対象と方法
【対象】未治療で18歳以上の局所進行/転移EGFR遺伝子変異陽性 (exon19欠失変異またはL858R変異) NSCLC
【方法】1,074例を以下の3群に2 : 2 : 1で割り付けた。
・アミバンタマブ1,050mg週1回+ラゼルチニブ240mg連日投与 (ami+laz) 群 (429例)
・オシメルチニブ80mg連日投与 (osi) 群 (429例)
・ラゼルチニブ240mg連日投与 (laz) 群 (216例)
【主要評価評価】PFS

>> 解析結果詳細はこちら

試験の概要

PFS2、 OSを含む長期追跡結果が報告

今回の発表では、 追跡期間中央値31.1ヵ月における、 頭蓋内PFS (icPFS)、 頭蓋内奏効期間 (icDoR)、 頭蓋内奏効率 (icORR)、 治療中止までの期間 (TTD)、 後治療開始までの期間 (TTST)、 後治療開始後のPFS (PFS2*)、 OSの長期追跡結果が報告された。

*PFS2は担当医が判断した病勢進行または死亡のいずれかが先に発生した方を基準として、 無作為化から後治療開始後、 2回目の病勢進行日までの期間と定義された。

試験の結果

3年icPFS率は38%、 中枢神経系コントロールは良好

ami+laz群はosi群に比べて2倍の3年icPFS率を示し、 より高い頭蓋内奏効持続性が認められた。

icPFS中央値

  • ami+laz群 : 24.9ヵ月
(95%CI 20.1-34.7ヵ月)
  • osi群 : 22.2ヵ月
(同 18.4-26.1ヵ月)
HR 0.82 (95%CI 0.62-1.09)
名目上のp=0.165

icPFS率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)

  • ami+laz群 : 51%、 38%
  • osi群 : 48%、 18%

icDoR中央値

  • ami+laz群 : NE
(95%CI 21.4ヵ月-NE)
  • osi群 : 24.4ヵ月
(同 22.1-31.2ヵ月)

icDoR率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)

  • ami+laz群 : 59%、 51%
  • osi群 : 52%、 0%

icORR率

  • ami+laz群 : 77%
(95%CI 70-83%)
  • osi群 : 77%
(同 71-83%)

3年後も4割の患者が治療を継続、 後治療開始までの期間を延長

ami+laz群はosi群に比べ、 3年後の治療継続率が高かった。

TTD中央値

  • ami+laz群 : 26.3ヵ月
(95%CI 22.3-30.4ヵ月)
  • osi群 : 22.6ヵ月
(同 20.3-24.5ヵ月)
HR 0.80 (95%CI 0.68-0.96)
名目上のp=0.014

TTD率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)

  • ami+laz群 : 52%、 40%
  • osi群 : 46%、 29%

後治療開始までの期間は、 ami+laz群がosi群に比べて長い傾向にあった。

TTST中央値

  • ami+laz群 : 30.0ヵ月
(95%CI 26.3-36.0ヵ月)
  • osi群 : 24.0ヵ月
(同 22.5-26.2ヵ月)
HR 0.77 (95%CI 0.65-0.93)
名目上のp=0.005

TTST率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)

  • ami+laz群 : 57%、 45%
  • osi群 : 50%、 32%

後治療を受けた患者の割合はami+laz群が72%、 osi群が74%と、 両群で同程度であった。 治療中止に至った患者の2次治療では、 化学療法を受けた割合が両群ともに最も多かった。

PFS2、 OSも改善傾向

ami+laz群は2回目の病勢進行または死亡リスクを27%低減し、 良好な傾向だった。

PFS2中央値

  • ami+laz群 : NE
(95%CI 36.0ヵ月-NE)
  • osi群 : 32.4ヵ月
(同 29.3ヵ月-NE)
HR 0.73 (95%CI 0.59-0.91)
名目上のp=0.004

PFS2率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)

  • ami+laz群 : 73%、 57%
  • osi群 : 65%、 49%

OSはami+laz群で改善傾向が認められた。

OS中央値

  • ami+laz群 : NE
(95%CI NE-NE)
  • osi群 : 37.3ヵ月
(同 32.5ヵ月-NE)
HR 0.77 (95%CI 0.61-0.96)
名目上のp=0.019

OS率 (24ヵ月時、 36ヵ月時)

  • ami+laz群 : 75%、 61%
  • osi群 : 70%、 53%
MARIPOSA試験は進行中であり、 今後、 OS最終解析が実施される予定である。

結論

アミバンタマブ+ラゼルチニブの有効性は長期持続の可能性

Gadgeel氏は 「追跡期間を延長しても、 EGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCの1次治療において、 ami+laz併用療法はオシメルチニブと比較して有望な結果を示した。 本試験の結果から、 同併用療法はEGFR遺伝子変異陽性進行NSCLCに対する1次標準治療であることが再確認された」 と報告した。

出典

¹⁾ N Engl J Med. 2024 Jun 26. Epub ahead of print.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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