海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Arrieta氏らは進行非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者の食欲不振の改善およびエネルギー消費におけるノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 (NaSSA) のミルタザピンの効果について、 二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験を用いて検討した。 その結果、 ミルタザピン群は対照群に比べてエネルギー摂取量が有意に増加し、 サルコペニアを有する患者の割合が有意に減少した。 本研究は、 JAMA Oncol誌において発表された。
食欲スコアには差がなく、 エネルギー摂取量、 特に脂肪の摂取量を有意に増加させたとのことです。 エネルギー摂取量の増加だけでなく、 QOLの改善が期待されます。
癌に関連した食欲不振に対する標準療法は存在せず、 癌患者の生存に重要な影響を及ぼしている。
進行NSCLCの成人患者
患者を1 : 1の割合で無作為に割り付けた。 両群とも栄養評価と食事のアドバイスを受けた。
Anorexia Cachexia Scaleおよびエネルギー (タンパク質/炭水化物/脂肪) 摂取量に基づく食欲スコア
サルコペニアの発症割合、 忍容性
両群間で4週後および8週後の食欲スコアに差は認められなかった。
4週後、 ミルタザピン群はタンパク質、 炭水化物、 脂肪を含むエネルギー摂取量が有意に増加した。
p<0.001
p=0.001
p=0.006
p=0.006
サルコペニアの発症割合
p=0.03
忍容性
ミルタザピン群の治療に対する忍容性は良好であった。 投与2週後に10cmVASスコアに基づく悪夢の認知が高かったものの、 4週後および8週後においては有意差は認められなかった。
進行NSCLC患者において、 ミルタザピンの投与は食欲スコアに差をもたらさなかったが、 4週間後のタンパク質、 炭水化物、 脂肪を含むエネルギー摂取量を有意に増加させた。 エネルギー摂取量、 特に脂肪の摂取量を有意に増加させた。 またミルタザピン群では、 8週後にサルコペニアを示す患者の割合が有意に減少した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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