HOKUTO編集部
2年前
日本臨床腫瘍学会および日本循環器学会、 日本癌治療学会、 日本循環器学会、 日本心エコー図学会の5学会から成る「Onco-cardiology ガイドライン作成ワーキンググループ」は今月 (2023年3月) 7日、 本邦初となる「Onco-cardiology ガイドライン」を3月10日付で発刊すると発表した。
近年、 がんと循環器疾患が重なる領域を扱う新しい臨床研究分野として注目されている「腫瘍循環器学 (Onco-cardiologyまたはCardio-oncology)」。 腫瘍医と循環器医が協働で取り組む学問であり、 心血管疾患の早期発見と早期治療 を行うことにより心血管疾患の改善とがん治療の完遂を目指し、 がん患者の予後と生活の質の向上を目標にしている。
腫瘍循環器学のガイドラインについては、 2022年に欧州心臓病学会 (ESC) が 初の診療ガイドラインを発表したが、 欧米で使用されている心保護薬のdexrazoxaneや抗血栓薬の低分子ヘパリンなどは、 本邦では保険適応がないため使用することはできない。
そこで日本臨床腫瘍学会、 日本腫瘍循環器学会、 日本癌治療学会、 日本循環器学会、 日本心エコー図学会から作成委員と作成協力委員を選出したOnco-cardiology ガイドライン作成ワーキンググループが発足。 本邦の実臨床に即した診療ガイドラインの作成を計画したという。
今回発刊される「Onco-cardiology ガイドライン」は図のような構成となっている。
重要臨床課題は、 「Minds 診療ガイドライン作成マニュアル 2020 ver.3.0」に準拠し10項目が選定され、 16のQuestionが設定された。
そのうち、 エビデンスが評価できるClinical Question (CQ:臨床的疑問) は5つにとどまり、 他のQuestionはFuture Research Question (FRQ:今後の研究課題) またはBackground Question (BQ:背景疑問) とされた。
推奨文が記載された5つのCQ (上からCQ1、CQ3、CQ5-1、CQ7-2、CQ9-1) は以下のとおり。
なお、 同ガイドラインの詳細については、 今月16〜18日に開催される第20回日本臨床腫瘍学会学術集会での発表内容をレポート予定である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。