海外ジャーナルクラブ
7ヶ月前
Takeshimaらは、 健康診断を受けた成人のデータを用いて、 わが国の貧血の有病率や治療状況、 医療費などについて横断研究で検討。 その結果、 貧血患者の半数以上が未診断や非治療であることが示唆されたほか、 貧血患者では医療費が高く、 QOLや生産性が低下することが示された。 本研究はJ Med Econにおいて発表された。
Impactの強い研究結果ですが、 レセプトデータベース研究の限界で研究仮説の提唱に留まります。 結論ではsuggestを使用していますが、 might be undiagnosed and untreatedとしたほうがより科学的です。
わが国は貧血の有病率が先進国のなかで高く、 患者や社会に及ぼす影響については定量化されるべきであるが、 いまだ明らかになっていない。 そこで貧血の診断・治療の現状について理解するために、 実臨床のデータを用いて、 貧血の有病率や治療の状況のほか、 医療費やQOL、 生産性低下に及ぼす影響について調査した。
15.1% (そのうち55.3%が未診断)
この結果から、 わが国では貧血患者の半数以上が未診断で、 約85%は非治療であることが示唆された。 貧血患者では、 貧血ではない人に比べて医療費が高く、 QOLは低く、 生産性低下率が大きくなった。
研究の対象集団に含まれたのが、 健康診断を受けた人のみであり、 一般人口より健康な可能性がある。 医療費、 QOL、 生産性低下の差が貧血によるものなのか、 他の患者特性によるものかについては不明である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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